あくまで魔が挿しただけなんだからね!9 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

「バティン、…何だ?その姿は?」

「私を最初に召喚してくださり、光栄の極みでございます、サタン様。
21世紀で馬を駆って捕り物をすれば、魔王どころか道化でございます。
私は世に合わせた姿で召喚に応じただけでございます。」

大魔王サタンこと、佐田星明が乗る黒いバイクが語りかける。
勿論、佐田が召喚した悪魔、バティンが変身した姿である。

「飛ばします。サタン様は運転してるフリをお願いします。」

「了解した…。
落合さん、直ぐに戻ります!」

****
「ガッ!」

「ゴボッ!!」

裏路地に追い詰められた二人の男。
アスファルトに這う彼等が見たのは、月夜に照り返される悪魔の佇む姿だった。

「ご婦人に免じて首と胴が繋がっていることに感謝しろ…。
相手が悪かったな。」

「ヒィィ、す、すんませんでしたぁ!」

なりふり構わず地面に頭を下げるひったくり犯二人。
左右のブレスレットを外し、力を「開放」した佐田星明の相手ではなかった。

「サタン様、何も貴方様自らが相手にしなくても、私めがこの程度の輩など…。」

「よい。『対価』を釣り上げられてはかなわぬ。
安い時給の身分なんでな…。」

「御意。」

※あくまでメモなんだからね!

ソロモンNo.18
バティンは、馬に跨がって召喚先に姿を現す、とされています。
ルシファー直属の二番目の下僕とされ、悪魔の中でも最速を誇り、その早さは「国をまたぐ者」と喩えられるほどです。
また、薬草と宝石に詳しく、最も愛想がいいと言われています。
****
「帰るぞ。」

と、奈々子さんのバックを持ち、バティンに乗ろうとした時、

「ヤレヤレ、人間ナンテ使エナイネェ~。」

半壊したミニバイクが起き上がり、声を発した!

「馬鹿な…!?」

動き出したミニバイクは、裏路地から通りに出…。

「佐田くーん、ここ危なくて有名だよー!大丈夫ですかー?」

「落合さん?走って追ってきたのか?
ま、間に合わない…。」

意志を持つ無人のミニバイクが、落合さんと正面衝突か?
魔王の力でも防げないと思った時、
夜空は一瞬にして昼間のように明るくなり、舞い降りた男が手をかざすと、ミニバイクは砂塵と化した。

「ふぅ、間に合ってよかったです。
お怪我はありませんか、お嬢さん?」

「あれ~?神様?天国にしては私生きてるにゃ~。」

ショックで意識を失った落合さん。
天使の力を使い過ぎだ大天使ミカエル!