サミアちゃんのご高説17 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

「確かに当時のワシは日本の台風や梅雨を甘く見ていた。
あいつのおかげで今日までワシは生き延びたがワシとあいつは…。」

「何々ー!?どういう関係だったのよ~?まさか人間と妖精との禁断の…ってやつ?教えなさいよ、サミアちゃん!」

「よ、燿子、こ、これは賢司の願いだ。お前の願いは今朝の内に…いや…うむぅ。」

「ねぇ、賢司くん、聞いちゃってよ、サミアちゃんのかつての恋物語を!」

「あぁ、うん…。サミアちゃん、スコーンが好きなのはイギリスが恋しいばかりじゃなくて、水分が無いから?」

「あぁ、そうじゃな。
まぁ、ワシにとって食事は満腹するものではなく楽しむものじゃ。」

「ふ~ん、じゃあ、パフェやプリンの良さがわからないんだ。」

「もう、賢司くんたら!そんな色気のない話どうでもいいでしょう?バスが来ちゃうのに~。コイバナが~。」

****

私は間違えてたかもしれません。
賢司くんと燿子さんが神に祝福されてるのではなく、私だけが神様に嫌われてるのかもしれません。
でないと、燿子さんに勝つ為にカールクリラノースくんと契約したのに、人間の燿子さん以上の障害が眼前に…

「見えてるんだな、お嬢ちゃん?
なら、話は早い。
あの妖精が『干渉』の原因さ。」

「そんな…。賢司くんが妖精さんなんかに…。」

それは教室で燿子さんと会話をしているより遥かに情熱的に話かけている賢司くんの姿でした。

燿子さんが妖精さんにコイバナを持ち掛けたのに、賢司くんが話題を切り替えたのは、妖精さんを気付かってだわ。ううん、それ以上に妖精さんの過去を聞きたくなかったんだわ。
賢司くん…。

「残念だったな、お嬢ちゃん。相手が妖精じゃあ、俺とのこんな『細やかな契約』じゃあ、太刀打ち出来ないし、サミアッドが魔法を使うほど俺達の『契約』に『干渉』が入るだけだぜ。」

「…そんなぁ、カールクリラノースくんまで…。」

「悪いことは言わねぇ、物事には潮時ってもんがあり、諦めが肝心だ。
但し、現状を打破する方法がないわけじゃない。」

「どうするの?」

「俺との契約を清算して、もっと強力で色恋に専門な『魔王』クラスを召喚するのさ。俺と本契約してもいいが、内容が専門外だし、何よりもお嬢ちゃんには相応しくない。
勿論、少年を諦めるって手もあるんだぜ?」

「イヤよ!魔王ね、わかったわ。」

「そうか、ならこんな電柱の影で見てないでお嬢ちゃんの部屋で儀式だ」