相良さんの妹の麗美ちゃんが通う、最上幼稚園の一向が到着し、ハロウィンパーティーが始まった。
北条女学園は園児との交流の為に様々なイベントを用意してたが、園児の念頭にはお菓子しかなく、女生徒は午前に彼氏作りに失敗した子達のリベンジで必死だった。
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「由紀姉ぇ~久しぶり!
ホンマに協力してくれてありがとう!」
「美空の為なら当然ですわ。
園児達も楽しんでくれて嬉しいわ。」
「で、由紀姉ぇはまだ独りなん?」
「美空こそどうなのよ?」
「う~ん、暫く男はええわ。現実離れし過ぎたイケメンに逃げられた後遺症が…。」
「あらあら、そんなんだから恵に先を越されるんですわ。」
「えっ、恵先輩結婚したんですか?」
「ええ、職場の上司と『運命の出会い』だったそうですわ。
あら、噂をすれば…。」
来た!ナイトメア将軍と相良さんこと、リビドー軍曹に案内されるお腹の大きなご夫人。
まさか大谷先生達と同じウチの卒業生だったなんて!
そして、そしてその後ろから悠然と歩くマントとタキシードの男性。
あれが…。
「将軍、軍曹、案内ご苦労。
恵、身体は大丈夫か?」
「ありがとうダーリン。
なんかハロウィンってワクワクするね。
この子も楽しみみたいで、さっきから良く蹴るわ♪」
「お前達が楽しんでくれるならそれでいい。」
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「うわぁ、悪魔とドラキュラだカッコイイ!」
「お、お兄ちゃんその格好は…?」
草原を駆けるホビットの相良さんは碧の髪、碧の瞳をさらけ出しました。
「麗美、今日はいいんだ。
それより…柳生さんだ。」
「京子さん、私のボス、インモラル大魔王です。
大谷先生、この催しに感謝しています。」
役者は揃いました。
パーティーは何事もなく、園児も女生徒も突然のコスプレゲストに大盛況です。
でも…。
「頃合いだ、将軍。」
「はっ。トワイライトイリュージョン!」
夜空に真田さんが幻術を見せる。
誰もが映画と思うでしょう。
「この絵は知ってるかい?」

「『受胎告知』ですよね?天使ガブリエルが聖母マリアの処女懐胎を告げる…。」
授業で習ったことを伝える優等生の京子先輩。
「その通りだ。
だがしかし、後世の解釈は間違ってる。子を授かったのはガブリエルなんだ」