「…ほう、亜人種でも大妖と呼ばれるウェアウルフがアイアンマテリアルを使えば確かに最強だな。
魔力と身体能力。
そして、先にテッペキ!ガールズに選ばれているという経験。
私達5人に一人で匹敵するだろう。」
負けず嫌いの瑞穂が島さんの力を認めるくらいです。
確かに今までデザイアの力は圧倒的で、ピンチを何度も助けてくれた。
でも…。
「でも亜人種っ知っててもマリアとは上手くやってたんでしょう?
どうして貴女が火あぶりに?
私達の敵は魔王軍、それも魔王軍の悪行そのもので、亜人種じゃないはずでしょ?」
もし、マリアがインキュバスってだけで、ナイトメア将軍の命を奪おうってしたら…?
それにさっき、アイちゃんは、「マリアは安定期に」って、それってやっぱりアレのこと?
「わ、私はさが、いえ、リビドー軍曹がホビット族でも好きです。
マリアは種族を越えた愛をわかってくれるはずです。」
「貴方達カップルはホントに微笑ましいわ、柳生ちゃん。
最初はマリアと私は母娘のように愛してたわ。
でも…私が『禁忌』を破った途端に、『これだから妖(あやかし)は!、そんなにユダを生みたいの?私と息子の邪魔をしたいの?』って…ね。
600年前に手の平を返した態度と全く同じよ!」
息子!やっぱり総司令マリアは現在妊娠してるんだわ!
待って、マリアとユダ。マリアが産む息子ってまさか?
あの超有名なイバラで磔な…?
「マリアは魔法の国からやって来て、選ばれし乙女にマテリアルを授けて、邪神レン復活阻止の為に、魔王軍と戦えと命じた。
こんなお伽噺を信じるなんて、幼稚園児ね♪」
はい五人全員信じてましたし、五人全員間違いなく乙女です。
「『禁忌』とは島先輩、その…アレ?」
顔を真っ赤にしながら核心に迫るさやかちゃん。思春期だわ。
「ご想像の通りよ、伊達さん。
私、もう女なの。」
『ええ~?大人ー!』
「最初は痛かったですか?」
「は、はじめて同士だったのでしょうか?
その場合は女性からの誘導は…?」
「さすがオオカミ女。
ホントにオオカミ…。」
メンバー全員が本日最高に食付きました。
いや、それよりも…。
「あの、みんな。アレに興味津々なのはわかるけど…。」
「ありがとう京子さん。
亜人種は『方舟』に乗れなくても生き延びたわ。
『始まりの妖』のバンパイア・ユダは、2000年前にマリアとヤハウェとの息子を殺し、自らも自害したの。」