(列王記)
ダビデの後を継いだのは、愛しいバテシバが二番目に産んだ子供ソロモンだった。
ソロモンは先代達のような武断政治に終止符を打ち、諸外国、異民族と通商、交易関係を築きました。
古代イスラエル王国最盛期を築いたソロモン王。
しかし、その才能は商売だけでなく、徳に篤い政治でも有名でした。
ある日、二人の遊女が新生児を取り合っていた。
同時期に出産した二人のうち、一人は死産だった。
片方が赤ん坊を奪い、自分の子と主張しているのだ。
そこでソロモン王のお裁きは…。
「誰ぞ剣を持て。
二人とも正しいことを言ってるなら仕方ない。
この剣で赤ん坊を二つに分ければよい。」
と言ったのでした。
「やめてください!」
と懇願したのは本当の母…。
という「大岡裁き」の源流が既に紀元前にありました。
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はい、ここからは私的見解です。
ソロモン王は現実主義的に、戦争よりも通商と外交で国を守ることを選択したんでしょうね。
で、ソロモン王と言えば
「悪魔を自在に使役した」
でファンタジーの世界では有名ですが、聖書にはソロモンと悪魔を記す書物は一切ありません。
また「悪魔」は多数の宗教が違った価値観で定義しているだけでなく、時代と地域、言語、民族が複雑に絡みあってます。
逆に言えば宗教、民族を越えてソロモン王の影響力は大きかったと言えます。
ソロモン王は大天使ミカエルから授かった「ソロモンの指輪」で72人の悪魔を自在に使役したと言われています。
17世紀の「ゴエティア」という作者不詳の書物にはの挿絵には、現代のファンタジーの源流となった魔方陣や悪魔や儀式的な用法が描かれています。
72の悪魔を召喚するにはそれぞれ個別の「印鑑」が必要で、ソロモン王は72種類の印鑑を使いわけたそうです。
「ソロモンの鍵」という魔術書は悪魔の個別の効果効能が記されて、個別の印鑑が収められていたそうです。
ある少女漫画では禁書に「ソロモンの鎖骨」という本が出てきますが、成人男性の鎖骨を悪魔を使役する印鑑に見立てたのかな?と思いました。
世界最古の宗教はゾロアスター教とされてますが、文明や記録はユダヤの方が古いのは、ユダヤ人のみの民族規律が統一的な「宗教」として成立するのに時間を擁したからだと思います。
「戒律に背いてでも発展をもたらした」
ソロモン王の「不都合」を悪魔で説明してるかと思います。