(ヨシュア記2章)
「モーセ様!約束の地カナンはすぐそこです!
しっかり!しっかりして下さい!」
エジプト脱出劇から40年。
モーセ一行はいまだに荒野を歩き続けていた。
モーセはカナンの土地にたどり着くことなく、志半ばで120歳で天寿を全うします。
「ヨシュアよ!モーセ亡きいま、お前が民を導くのだ」
「聞こえる!ヤハウェ様の声が聞こえる!」
一団は若き指導者ヨシュアに任された。
ヨシュアは戦術、戦略に長けた行動派。
カナンの地の都心部エリコを攻撃するため、密偵二人を城壁内に侵入させる。
ヨシュア軍の動向をかぎつけ、エリコの町は厳戒態勢だった。
「カナンの二大都市である『エリコ』も『アイ』も強固な城壁で固めている。
正面突破は難しいであろうから、二人の密偵が持ち帰る情報次第だな。」
新リーダーのヨシュアは密偵に期待してましたが…。
「お前達二人見かけない顔だな。
合言葉を言え。
『砂』」
「ええと、『時計?』」
「よそ者だ!捕まえろ!正解は『嵐』だ」
追いつかれそうになった時、二人の密偵は娼婦ラハブに保護された。
「もう、大丈夫よ。
私達は貴方達の味方よ。」
エリコの王は娼婦を差別し、城壁の周辺のみでの商売と生活を強制しました。
その為に娼婦のラハブはヨシュア軍達ユダヤ人を歓迎し、城壁の弱点を伝えたのでした。
逞しき女性ラハブは城壁から密偵二人をロープで吊るして逃してあげました。
無事に情報を持ち帰り、ヨシュア軍は勢いを駆って進軍するのでした。
(続く)
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はい、お久しぶりの旧約聖書です。
モーセの奇跡の脱出劇から40年って実感を出す為にわざと記事の期間を開けさせていただきました(笑)。
はい、荒野を40年さまようわけがありません!
カナンを奪還出来なかっただけで、周辺の地域と民族と共存しながらの生活だったはずです。
また、モーセが120歳で亡くなったとありますが、それだとエジプト脱出劇が80歳、ラムセスの王朝から逃走したのが75歳になってしまいます(涙)。
やっぱり書かれた時期も、書いた人もバラバラなので矛盾が生じ、物語が破綻してるかと思います。
なお、後日談として、娼婦ラハブは密偵二人のうちの一人と結婚します。
「恩人」に出会えたことが運命を変えたと思います。
町全体を壁で囲む『城郭』は大陸文化そのもので、日本の小田原城が逆に珍しいですね。