「ピッ、ピッ、ピッー!」
女子サッカー部は順当に勝ち進み、今日遂に県大会優勝を決めました!
参加チームも少ない予選は、毎日男子との練習を繰り返してたウチには何の障害もありませんでした。
高坂先輩は
「…浮かれるな!
通過点に過ぎん。
それよりも個々の課題の確認と克服が重要だ…。」
決勝戦を4-1で快勝しても、一点取られたこと、そして五点目が取れなかったことに高坂先輩はお冠でした。
「結城!柳生!
全国はここまで甘くない!
そして私達が引退した後はお前達二人にかかっているんだぞ!」
高坂先輩は私と結城さんのミスを厳しく叱り、せっかくの優勝祝賀会もこれじゃ…。
「…瑞穂、課題は少しずつ克服しようよ…。
だから今日くらいは勝利の余韻に…。明日の士気に影響が…。」
見兼ねた片倉先輩がたしなめます。
先輩の言葉は最もですが、片倉先輩の助け船は正直ほっとしました。
「…すまない…。
少々焦っていたようだ。
全国には…。」
「高坂、そろそろ話してくれないか?
片倉、聞いてもいいのか?」
片倉先輩の了承を得、遂に真田先輩が誰もが思ってた疑問をぶつけました。
「高坂、俺達は出会えた。
そして変わった。
全てはお前が北条学園に転校してきてから全員の運命の歯車が狂った。
何故だ?
そもそも何故お前はただの公立の進学校にきた?」
「今まで無理矢理問い質さなかったお前達には感謝してる…。
私は…父様の言い付けで、高校卒業後は社会人リーグの女子チームに就職が内定し、日本代表も約束されてた…。
しかし、私には別の二つの夢があった!
父様に反発し、お兄様の母校である北条学園に逃げてきたのだ。
そして全国には父様のチームが…。」
「それであんなに柳生ちゃんと結城ちゃんを叱ってたのか…。
で、二つの夢って?」
「…士郎…?」
「大丈夫、言ってもいいよ。」
「うん、『お嫁さん』と『男子チームのレアルマドリードに入り、メッシのバルセロナと闘うこと』だ…。笑うな…!」
「その為だけに転校してきたのかよ!」
テッペキ! 完
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立てなくなるほど考え込むよりも
行こうよ行こうよ
自分を叫ぼう!
元気なウチにやりたいこと見つけ出したいよ
大好き人に会いたい時に会えればいいのにな
気のすむまでケンカして仲直りしたいよ
やりたいようにようにやりたいこと出来ればいいのにな
B'z「あいかわらずな僕ら」より抜粋