テッペキ!ハイスクール 11 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

2013年の5月26日は、欧州チャンピオンズリーグの決勝戦。
文字どおり、数あるヨーロッパのサッカークラブの頂点を決める日だ。

決勝のカードは史上初のドイツ同士の決勝戦。
日本時間で土曜日の夜に試合をしてくれたから大興奮でテレビに熱狂出来た。
しかし、休み明けの月曜日…それ以上の衝撃が走った。

チャンピオンズリーグの終了はヨーロッパのクラブサッカーのオフシーズンの到来を表す。
どのチームも夏にキャンプを行い、秋の新シーズンに向けてのスタートを切るのだが…。

「ガシャーン!」

本来なら親友の門出を心から祝わないと行けなかった。
しかし、突然事実を告げられた俺は先に手が出てしまった!

「優矢くんやめて!
小菅くんの気持ちをわかってあげて!」

「離せ、恵里菜!
赤松も入ってチームが一番いい状態の時になんでお前だけ!
先輩達や俺と夏の全国制覇するんじゃなかったのかよ!」

「本当にごめん…。
でも俺には今しかないんだ…。
お前も逆の立場ならわかるだろ?」

そう、北条学園男子サッカー部の10番、二年生エースの小菅健吾はスカウトされた。
「Jリーガーになれたらいいな」
なんて俺の夢を吹っ飛ばすほどの衝撃だ。
何せ、来シーズンから二部に昇格が決まった、ドイツのプロリーグ、「カールスルーエSC」に電撃入団したのだから!

サッカー留学する高校生は珍しくない。
だがそれはあくまで学業をしながらの下部組織でのプレーだ。
小菅は違う。春休みのベルリン大学との練習試合が関係者の目に止まったのだ。

今シーズン三部で優勝し、来シーズンから二部でプレーする、カールスルーエの首脳陣がトップチームの一員として日本人高校生とプロ契約したのだ。

「GWの谷間も休んでたのはそういうわけか…。」

「あぁ、あの時、現地のテストに合格した。
僕だって秋まで、高坂先輩達の引退まで日本でプレーしたかったさ。
でも英語もドイツ語も、まして一人暮らしさえしたことない僕はそれをハンデにしたくないんだ。
僕には時間がない。
来週には日本を発つ。」

「何で言ってくれなかったんだよ!
俺達仲間だろ!」

「仲間だから…言えなかったんだよ。」

「わかってやれ相良…。
私だって寂しいが…『一番弟子』のお前の活躍を望んでいる…。」

「高坂先輩…。」

「高坂先輩、片倉先輩。
最後のお願いです!僕と相良が組みますからと2vs2のマッチアップして下さい!」