春祭り企画 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

「春の猫」様とのコラボです


「えいっ!」

あぁ、また外しちゃった。

日本にはバスケットゴールがある公園なんて少ないから、ここは私のお気に入りの場所。
嫌なこと、不安なことがあると私はいつもこの公園のバスケットゴールに向かってスリーポイントシュートを放ち続けていた。

何が嫌で何が不安かって?
去年の私なら99%失恋のことだったと思います。

「貴史のバカヤロー!」
って日がくれるまで、シュートしてたと思います。
だからここは私のお気に入りの場所。

でも、私だけのお気に入りの場所でもない。

「あれ?お姉さんだー!
久しぶりですね?
また誰かにフラレて憂さ晴らしにスリーポイントシュートですか?」

「ホントに久しぶりね、イケメン少年くん。
でも、失礼だぞ!
これでも彼氏出来ました!」

この公園のバスケットゴールがきっかけで知り合った、まだ中学生のイケメン少年くん。
私は元・バスケ部だが彼は現役だ。
男性的でたくましく、頼りがいがありそうな雰囲気だが、恋に悩む姿は私と同じだ。

そう、だから私達は親しくなれた。

「え~、やったじゃないですか!
おめでとうございます。
じゃあ、今日は何でここに?
しかもシュートフォームがボロボロでよっぽどストレス溜めてません?」

遠慮しない物言いは中学生なのか彼の個性か?

「さすが現役バスケ部員。
新入生の気持ちが上手く掴めなくてね~。余計にストレス溜めそうだったけど…。でもキミの顔見たら落ち着いたわ。
ありがとう。
で、キミはどうなの?」

「やっ、それが実はつい最近、俺も付き合うことになって…。」

「やったじゃない!遂にあの子と付き合う決心したか!
おめでとう!
じゃあ、私達両方に恋人が出来て、今日ここで再会したってことは…。」

「はい、約束を果たす時、そして次の約束をする時です。」

そう、恋に悩むお互いを励ましあった『公園のバスケ仲間』の約束。
それは…。

「両方に恋人が出来たらお互いの名前を名乗る。

そしてお互いの恋人を連れて4人でバスケをする。」

「何か…照れるね。
柳生恵里菜です。」

「うわぁ、何かイメージにしっくり来ますね。
高藤海陽です。」

「うん、なんかわかる(笑)。
でも、4人で会う約束はしないでいようよ?」

「そうですね。きっと今日みたいに偶然4人で会えるかもしれませんよね。」

「ええ、また公園の桜が導いてくれるわ。」
(終)