「アルバート・リーデルです。
僕は明日、皆様に化学の授業をさせていただきます。」
180センチの長身に黒髪、黒い瞳、黒いコートが日本人の私達に抵抗なく好印象を与えたです。
あちらの世界でお会いしたことはありましたが、当時は非常事態ということもあり、こうやって落ち着いて見ると…。
不本意ですが…イイ男です。
「アヴィ・ロングです。
今日は私が家庭科を担当して、皆様に簡単なドイツ料理を教えますから是非とも憶えて帰ってくださいね。」
アヴィさんは165センチくらいの身長で茶色の髪、スレンダーな身体と子供っぽい雰囲気がアニメから抜け出たみたいです。
「凄~い!かっこいい!」
「可愛い過ぎるだろー!
こんな可愛い先生に俺達も料理教えてもらえるなんて最高!」
男女ともに歓声が上がるのも当然です。
「お二人とも日本語がお上手なんですね。」
「講義は難しいことはしません。
寧ろ、僕達の日本語の勉強が目的の様なものです。
アヴィ、時間がない。
早速はじめよう。
僕がみんなの完成した料理を審査するよ。」
「え~、アルバートさんに食べてもらえるの?みんな、頑張るわよ!」
「はい、今日作ってもらうのは『アイトンプフ』ドイツの一般的な家庭料理のスープです。」
「アイトンプフは『鍋に投げこんだ』って、意味です。作り方も家庭それぞれの味があって細かい決まりはありません。味付けもトマトベースとコンソメがありますが、コンソメが楽なので今日はコンソメにしま~す。」
楽ってはっきり言ったです!
アヴィさん大丈夫でしょうか?
「う~んとね、材料は
ジャガイモ(中4個)
ソーセージ(食べたいだけ)
ニンジン(一本)
タマネギ(一個)
塩
胡椒
コンソメを適量
これで煮込んで完成したら、こんなイメージです。

じゃあ、5人・6グループに分かれてやってみましょう!」
ざっくりし過ぎです…。
しかし、酢漬けや塩漬けの保存食が発達し、調理法に料理人の細かな腕前が問われないドイツ料理にはアヴィさんの指導は的確かもしれないです。(保存に技量は必要ですが)
「うわぁ、上手~。」
流麗な包丁捌きを披露したのは相良くんでした。
女子のプライドは大丈夫でしょうか?
続
(akiruさま、tokenさま、ご協力ありがとうございます。)