ベルリン合宿二日目
ホテルの部屋は人数分のベッドを用意してくれてましたが、真樹ちゃんは「私、いびきがうるさいかもしれないから」と結局、リビング側のソファーで寝てたです。
広いホテルで良かったですが、気にし過ぎです。
でも好きな人と同じ部屋なら仕方ないかもしれないですが…。
私も昨夜は、もしも京子先輩が同行しなかったら真田先輩と…。などと一人妄想してたら全く寝れなかったです!
まぁ、時差ボケのせいにしておくです。
ただでさえ私は別世界の平和に…。
ベルリン大学 講義室
「瑞穂、まり姐、皆様。
遠路はるばるようこそお出でくださいました。」
そこには長身メガネの日本人紳士が私達を迎えてくれたです。
「瑞穂、暫く見ないうちにまた一段と大人っぽくなったではありませんか…。
兄としてこれほど嬉しいことはありません…。」
「大人っぽくなったと誉めてくれるなら、高校生の実の妹を会っていきなり『高い高い』をするな!
幼稚園児か私は!」
あ、相変わらずの高坂漣さんです。
異国の雰囲気がお兄さんを一層、現実離れした存在に魅せるです。
ただひとつ前回お会いした時と違うのは…。
「漣、瑞穂さんと再会出来て嬉しいのはわかるけど、早く皆様に席に着いてもらいなさい。
講師の先生方の紹介も控えてるのよ!」
そう、前回と違うのは、漣兄さんには柚子葉(ゆずは)さんという婚約者を助手に付けていることです。
規格外な漣兄さんを抑えてくれる女性は何よりも有り難いです。
「柚子葉、お久しぶり。
ちゃんとベルリンに貴女が居て安心したわ。
天国の秋彦も喜んでるわ」
「まり姐…。ここでまたまり姐に逢えるなんて幸せ…。」
漣兄さんと三好先生の亡くなった弟さんは、学生時代にこの柚子葉さんに恋をしたライバルであり、野球部のバッテリーを組んでいたそうです。
あの漣兄さんが野球部でキャッチャーをしてたなんて想像もつかないですが…。
北条学園の野球部として高坂漣、一橋蒼磨(南部彩先輩の彼氏)、鈴木くん(伊東茉奈ちゃんの彼氏)達が、「紳士的変態」の系譜を確実に継承しているです…。
まぁ、うちの男子サッカー部員が直接的で野獣的な変態が多過ぎるのですが…。
「では皆様お待たせ致しました。
今回の文化交流の講師二人を紹介します。
私の親友、アルバート・リーデルにアヴィ・ロングです。」
(続く)
akiru様、コラボ企画了承ありがとうございます。