私達は昼前の飛行機に乗り、12時間以上のフライトと、4時間近くの高速鉄道での移動でベルリンにやってきました。
現地時間では19時くらいですが、時差の関係もあって、何だかお腹が空かない…。
予想以上に旅行って、疲れるのね。
まぁ、おまけで連れて行ってもらってる私が文句言えません。
三好先生をはじめ、大雑把過ぎる男子と女子をきっちり私がまとめないと…。
「ホテルに到着したら軽くバイキング形式でご飯を食べたら、注意事項と予定をミーティングをして解散よ!」
そして到着したホテルは…。
「ベルリンプラトン=エノキダ」って…。
「凄~い、このホテルも榎田グループの持ち物なんだ!」
「いや、厳密に言うとここは俺の兄貴が親父のグループと別に買収した所さ。
これを足がかりに、いつか俺と兄貴でじいちゃんと親父が作った業績をひっくり返してみせるさ…。」
榎田くんはお兄さんが飛び出したせいで、グループの後継ぎを強制されそうになり、一年生の時はサッカーへの情熱を失ってグレてました。
それを更生させたのは私のまー君と三好先生なんだけど…。
榎田くんは三好先生の為に、家を飛び出したお兄さんと一緒に仕事をするって言ってたけど…。
事業の規模が大きすぎて現実感ないです。
「ドイツ合宿なんて急過ぎると思ってたけど、こういう理由があったから可能だったんですね。」
「勿論よ、日本語に堪能なホテルマンを揃えてもらってるから安心して勉強とサッカーに取り組みなさい!これは学業の一環よ。」
長旅疲れの様子もなく、男女ともに食欲旺盛なこと…。
う~ん、やっぱり運動部と文化部の違いかな?
「それじゃあ明日は午前中に大学で講義を受けて、午後から大学のサッカー部と合同練習よ。
明日に備えて早く休みなさい。
今から部屋割りを発表するわ。
男子は5階。女子は6階。階を越えての移動は勿論、厳禁。部屋の移動は22:00まで。
「え~、そりゃないよ~三好先生!」
武田くん、中島さんカップルは文句言ってたけど…確かに他の部員も居るんだから男女別は当然よね。
そりゃ、私もまー君とお泊まり出来たら嬉しいけど…。
「私だって徹と我慢なのよ!」
「優矢くん、私と同じ部屋、期待した?」
「す、するわけないだろ!さ、最初からわかってたさ…。」
私の部屋は…603号。南部さんと結城さんと一緒。良かった!
まー君は…彼女持ちの4人部屋。意図的…。