「恋愛は恋愛として存続している限り、扱う武器を変えながらも、恋愛は闘争の中に存在する。」
セーレン・キルケゴール「誘惑者の日記」より
「誘惑者の日記」を読むのは二回目ですが、一回目はこの言葉を見落としてました。
しかし、キルケゴールのこの精神は私の創作小説に全て受け継がれています。
「テッペキ!シリーズ」に限らず、「カイレフォンの友人」にしろ、処女作「ソイトゲ」にしろ、私の作品の根底は
「闘愛」
です(笑)。
己の恋の為なら、愛をも敵にするのです(笑)。
そしてキルケゴールは
「恋愛における武器の使い分けとは遠距離戦闘と近接戦闘の使い分けである。
近接戦闘の武器とは握手、足の絡め合い、抱擁、接吻である。
遠距離戦闘の武器とは視線だけである。
遠距離戦闘による勝利よりも、近接戦闘で勝利しなければ意味がない。遠距離戦闘は数々の敗北を経験することが前提である。」
ある俳優か作家だかは「男の価値はどれだけ目だけで女を殺せるかだ。」
と乱暴に言ってました。
しかし、遠距離戦闘における視線の勝利は、対象に憧れの念を抱かすには有用かもしれませんが、愛の獲得には至りません。
抱擁、接吻において恋愛は初めて勝利するのです。
しかし、近接戦闘は自分が深傷を負い、敗北する可能性も高くなります(笑)。
思うに遠距離戦闘の受勲者は「モテる」であり、決して「愛される」でないことを知ってほしいですね。
過去ログにもありますが、自身の芸術を披露することも遠距離戦闘で、テレビや舞台での芸能人は常にファンに対して遠距離戦闘をしているのでしょう。
過去のキルケゴールの記事にも書きましたが、コンサートで歌手が舞台から下りてきて、貴方だけに愛の告白をすることはありませんから(笑)。
しかし、貴方も真剣に深傷を負うこともありません(笑)。
大好きなアイドルの「熱愛報道」に「裏切り」と表現する熱狂的ファンがいますが、恋人の自分以外への「熱愛」に比してどれほどの「裏切り」だろうと思います。
また実在する芸能人ならまだしも、創作における漫画やアニメやゲームは「安全な恋愛の究極」かもしれませんね。
「優秀な狙撃手はライフルの腕ではなく、自分が撃たれないフィールドで勝負できる者だ。」
by SPA-k