12月23日(日)22:30
私は私自身に呪いをかけていました。
「どうせ私は誰からも愛されない。」
この言葉により私は
「疑うよりも信じる」
「愛されなくても愛する」
という行動力を与えてくれました。
優しくされたら好きになる。
好きになったら恋をする。
恋をすれば完全無欠の王子様が全てを解決してくれると思ってました。
そして何度も恋に破れては、恋をしました。
でも…。夜は知っていました。闇は見抜いていました。
私の中に存在する独り善がりな利己主義を。
だから暗闇が怖すぎて…。
でも…今、私は愛されている!
あんなに怖かった闇夜の中で、彼の情熱は氷漬けにされた私の呪いを溶き壊し、広く深い愛は私の醜い心までも包んでくれました。
「…お願い…。私を温めて。会えない夜でも貴方の温もりが残るくらいに…。
誰よりも温かい優矢くんを愛してる。」
「いい?」
「…うん…。」
きっと声は出なかったかもしれません。
ただ小さく、小さく頷くだけでした。
先輩方の話を意図的に知ろうとしなかったのは、嫌悪があったのかもしれません。
「汚らわしいもの」
という先入観が私をそれ以上踏み込ませなかったのかもしれません。
…でも…ボタンを外され、直接触れ合ったお互いの肌が、本能的に「それ以上」を求めました。
そう、まさに本能でした。
「何故脱いだのか?」
と問われれば、
「何故着ているの?」
と問い返すでしょう。
指と口唇が私の全てに触れ、私の中の獣を呼び醒まし、求めることが自然でした。
一瞬の苦痛は永遠の快楽に変わり、神世の昔からの営みの意味を、生まれて初めて知りました…。
「恵里菜…。大丈夫だった?
ごめん、無理した?」
「ううん、優矢くん…私、幸せだよ。」
なんという生命の神秘でしょう。
快楽と欲望の部分だけを興味本意で取り上げてはいけないと率直に思いしたが…。その気持ちもわかります(笑)。だって凄かったもん。
「お休みしようよ…。明日練習早いしさ…。」
「うん、お休み。」
「お休みなさい。」
私はきっと闇夜と仲直り出来たのかもしれません。
12月24日(月)7:30
深い深い眠りを経験し、朝が来ても隣で眠る彼の姿と下半身の痛みが、夢で無いことを教えてくれました。
「おはよう。」
「おはよう。」
私達の物語は続きます。
貴方にメリークリスマス
完