テッペキThird 5! | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

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「山名先輩、凄く逞しくなってる…。僕ならもう何度奪われてるか…。」

「小菅が言うくらいならよっぽどだな。三好塾の効果は榎田以外にも当てはまるってことか…。」

噂を聞いて男子部員も高坂vs山名の1on1を観戦する。

「見違えたぞ山名、これは嬉しい誤算だ。」

「ええ、おかげさまで。高坂さんは相変わらず成長してないようですね、そのAカップとか?」

肩に肩を激しくぶつけ強引に奪いに行く理恵。
一瞬バランスを崩す瑞穂だがヒールでボールをコントロールして何とか保持する。
「ちょっと反則じゃないの?」
一緒に観戦してる内藤さんの声が上がるが、肩で肩を押すショルダーチャージは反則じゃない。

「惜しいなぁ~。一瞬グラついたのは気にしてるから?AAカップの高坂さん!」

「…違う!」
言葉と同時に瑞穂得意のまたぎフェイントを披露するが理恵は冷静に見極める。

ディフェンスの基本は奪うことより抜かれないこと。
パスという選択肢がない1on1は明らかに守備側が有利だった。
しかし、それを踏まえても2ヶ月前までは素人だったとは思えない。

「マルセイユルーレットはさせませんよ。身体を回転させる技は距離を詰めれば簡単に防げますから。皆と練習出来ない分、必死に研究したんですよ。恵まれた高坂さんにはわからないでしょう。
あっ、女性としては恵まれてないかぁ~?」

「…お前が言うな!…だったら本邦初公開の…」
理恵に背中を向けた瑞穂は足の甲でボールを浮かせ、身体を回転させながら落ちてくるボールを再び蹴り上げる。ボールは地面に触れないまま宙で瑞穂に操られる。
「名付けてメッシ・イリュージョン!」

「ちょっと、何これ~?こんなのズルいですよ~。」

これをやられたら守備側は浮いてるボールとリフティングを繰り返す相手を見ているか、ファールで止めるしかない。

「本気モード出しすぎでしょ!そんなんだから真田くんに捨てられるんでしょ。」

「…か、関係ないことを…しまった!」
最後の一蹴りを大きく芯を外し、ボールはあさっての方向に転がった。
しかし、瑞穂の身体ひとつ分理恵を抜いた後だった。

「振り切った後にコントロールを失ったから高坂さんの勝ちね。ホントに信じられないポテンシャルを秘めた子ね。」

三好先生が瑞穂の勝利を告げた。

「山名、冷静さを保つ大切さがわかった。嫌われ役をありがとう。」

「あら、全部本音です。」