「サッカー部の強化もいい、学校の平和もわかるわ。
けど、女心を弄ぶ様な男に正義とか語って欲しくないから!あたしの言ってる意味わかるよねぇ?」
中島さんに散々釘を刺されやっと高坂の話が聞ける状態になった。
取りあえず部室に二人になり、他の皆は一応帰ったようだ。
「この前は殴って悪かった…。ごめんなさい。」
驚くほど素直に謝る高坂の姿は可愛い女の子そのものだ。
天才過ぎるほどのサッカーの腕前と、尊大な態度が無ければ普通にモテるだろう。
「…それと女子サッカー部の創設に頑張ってくれて…ありがとう。お前は本当に優秀だな。京子が惚れるわけだ。」
「俺だけの力じゃないさ…。京子に三好先生、それに何よりも部員の皆が望んだ結果さ。」
「思えば私はお前達の『罰ゲーム』で『男子』サッカー部に入部することになった…。
『女子』サッカー部 に私が入ると罰ゲームの罰が宙に浮く…。この理屈はわかるか?」
「あ、ああ。そうだな。高坂が籍を置かなくなると…。」
「そうだ真田、お前は私に再び『命令する権利』を手にしたのだ。」
いけない、何か嫌な雰囲気だ…。
高坂の奴、三好先生から何を習って…。いつもと空気が違う。
「…さぁ真田、命令してくれ…。私はお前のどんな願いも聞いてやるぞ。
どんな恥ずかしい命令も、どんな恥ずかしい格好だって…。
京子にしてきたことより、もっと凄い事を命令してもいいんだぞ…。」
「オイ、高坂、冗談はやめろって!」
ヤバイ、相手側のペースだ。この苦手な空気感は三好先生のオーラそのものだ…。
「フフッ、どうした?お前らしくもない。そういえばあの時のPK戦でお前は私を脱がせたがっていたなあ?
そんなに見たいなら命令すればどうだ?」
と言いながらも高坂はボタンを外し制服を脱ぐ…。
全く膨らみの無い胸に着けられた下着に奇妙な興奮を憶える。
「震えてるのか?可愛い奴だな。今ならお前と全裸でPKをしても私は勝てそうだな?」
あぁ、覚悟を決めた女というのはここまで男の心を虜にするのだろうか?
今、目の前の高坂は京子よりも三好先生よりも女らしかった。
「高坂聞いてくれ、俺は…。」
「京子の事が好きならそれでいい。
私を愛してなくて構わない。
ただお前は今、この瞬間私を好きに出来るのだぞ?
その後のことはその時考えればいい。
私は何をされても…。」
ここまでされて断る方が高坂を傷つけるんじゃ?都合の良い考えが頭を過る。