テッペキSecond !4 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

「どうしたんですか?最近凄く楽しそうですね、中島さん。」
瑞穂に惹かれて一緒にサッカー部に入った山名理恵は気配りがあって人気者だ。

「うん、最近サッカーの楽しさがわかってきたかなぁって。
特にボレーシュート!」
「ボレーシュート?」
「うん、シュートが決まると嬉しいんだけど、ダイレクトで決めるともう気分最高なの!まぁ滅多に成功しないけど。
それに比べてアイツは上手いんだなぁ~。」
「武田キャプテンのことですか?
楽しそうなのはサッカーだけですかぁ?」
イタズラっぽく理恵が茶化してきたが、確かに間違ってないかもしれない。

シュートを決めた時の武田はホントにカッコイイと思う。
そして明日が彼の誕生日だと聞いて、勝手にプレゼントを渡す計画を立ててるあたしがいる。

しかし、運命は残酷だった。
「ごめん、理恵。あたし用があるから宜しく~。」
どうしても今日に武田へのプレゼントを買いに行きたくて、部活後の片付けを理恵に任せて帰ろうとした。
そこに当の武田が来た。
「中島、使った用具は使った本人が片付けろ。」
「あの、いいんですキャプテン、私がやりますから。」
理恵が私に気遣って言う。彼女は理由を知っている。
「別にいいじゃない。ほら、理恵もそう言ってるし、あたし今日は…。」

「パシーン。」
武田の主将としての容赦ない平手打ち。
「もう一度言う。使った本人が片付けろ。それが出来ない奴はウチの部に要らん。」
わかってる。あたしが悪いんだって。
でも武田の為に早く帰りたかっただけなのに、その武田にぶたれるなんて…。
「ヒドイ!なんであたしばっかり!どうせ理恵みたいに可愛いくもないわよ!
パパにも打たれたことないのに!」

自分でも意味不明なことを言って走り去ってしまった。
もうどうでも良くなって仮病で学校を休んだら、瑞穂と理恵が見舞いに来た。

「山名から聞いたぞ。
全く、ズル休みもほどほどにな(笑)。」
瑞穂も理恵も早く私に部活に戻ってほしそうだったけど…。
私はアイツに会わせる顔がなかった。
「恋の病の特効薬だ。」
と急に瑞穂が言い出すと、真田くんが武田を連れてきた!

彼は平手打ちしたことを謝って、私も謝った。会いに来てくれたことより、謝ってくれたことよりも、会話の中で

「中島がボレーシュート決めると見てる俺も気持ちいい。」
って言葉が嬉しかった!あたしの方がプレゼントもらったみたいね。
誕生日おめでとう、心の中で