まー君は不可能を可能にする男です。
そしてその為になら手段を選ばないのが真田正行という男なのです。
入学式で中学時代の有名プレーヤー榎田徹君が同じ学校に進学してると知ると、彼は熱心に部活に誘いました。
私は「やる気の無い人に無理強いは良くないよ」と止めたのですが、彼の情熱は収まりませんでした。
サッカー部に入らないだけならまだしも、授業をサボり、不良と付き合うようになった榎田君を担任の三好先生も心配していました。
まー君は不良と縁を切らす為に、遂に榎田君に一対一の勝負を申し込みました。
サッカー勝負ではありません。殴りあいです。
私は必死に止めたのですが、まー君は
「安心しろ、俺達キーパーの手はチームを守る為にある。どちらの拳も汚さないさ。」
と言って勝負に臨みました。
身長190センチの榎田君に勝てるはずないです。
しかし、勝ってしまうのが真田正行という男なのです。
手袋にクロロホルムを染み込ませて、榎田君の口を塞いで眠らせるのが彼なんです!
そして見守ってた不良達の怒りを買って、集団でまー君を襲おうとした時に邪魔がタイミング良く入ります。
教師の集団ではありません。
警察と消防、そしてご丁寧にマスコミにまで予め通報してるのがまー君と言う男なのです!
ご近所と行政を巻き込んで大混乱になったおかげで不良グループは解散しましたが、学校側からしたら余計なことをしてくれたという立場を取るのが教師達です。
大人の圧力からまー君を守り、一年生の二学期にはまー君を生徒会長に、私を副会長にさせたのが三好先生なのです!(本来なら二年生が会長になるのですが)
それから三好先生は親元から習った合気柔術で、文字通り榎田君の根性を叩き直しました。
事件が5月の半ばだったので、運動不足の榎田君にはかなりのスパルタだったそうです。
そしてやっとサッカー部に入部した榎田君は二年生、三年生のキーパーを押しのけ正ゴールキーパーになり、まー君は控えが指定席になりました。
全く…。他人の為に損をするのが好きな人なんですよね。そこが好きなんだけど。
基礎体力を鍛え直された榎田君は師弟愛以上の気持ちを三好先生に持っていました。
そして夏休みの終わり、榎田君は三好先生に告白し、二人の極秘交際が始まるのですが…。三好先生はまー君を誘惑するし、不良時代の榎田君を知らない一年女子はファンが増える一方だし、どうなるのかな~?
あっ、人より自分達ですね