内面に怒りを隠した笑みでは無く、本当に京子は笑っていた。
それだけに読めない。
「なぁ京子、聞いてくれって!」
「京子って誰~?私は破廉恥な行為を取締る生徒会の副会長ですよ~。安心して。全力で退学にしてあげるから~。」
「冗談はよせって。高坂、お前からも…。」
「(告白が)初めてだったのに~」
「今ここでその台詞は危なすぎだろ!」
「ねぇ、付き合ってあげたら?」
京子が耳を疑う様な事を言った。
わからない。
京子が何を考えてるのか。
「貴方に断る権利はないわ!
瑞穂ちゃんと付き合いなさい!」
京子は本気で言ってるのか?それにさっきから瑞穂ちゃんて…。
「京子…。俺はお前が…。」
「勘違いしないで!まー君は『私とも』付き合うの!
それが唯一の解決法よ!」
京子から笑みが消え、真剣に語り出した。
「私言ったよね?『私一人の想いじゃ無理』って!
だから瑞穂ちゃんと二人でまー君の首に鎖を付けることにしたの!」
「何で俺が二人と…。」
「そうでもしなきゃどうせ変に責任感じて『サッカー部辞めて京子の傍にずっと居る』とか言い出すつもりだったんでしょ!
そんなので選ばれても嬉しくないんだから!」
「何故それを…。」
「私言ったよね?『今までの想いを諦める』って!
今までのままだったらこの後何人、まー君の『優しい毒牙』に泣かされる女が出てくるかわからないわ!
だから『これからの想い』に切り替えただけ。
私が諦めるわけないでしょう、大好きだよ、まー君!」
「私も『不幸な女』に乗り替えられるのはご免だ。
まずはお前ともっと親密になって、京子か私かを選んでほしい。」
「と言うわけよ。わかった?
だからもう…何でも一人で抱え込まないで…。貴方の苦しみを分けてよ…。」
「はっきり言いなさい!みんなの前で。」
「中島…」
「高坂…恋愛対象にはまだ見れないけど…。
サッカーを通じてお前との時間を大切したいと思ってる。ありがとう。
京子、俺は確かに無茶をする時があるけど、だからこそ傍に居てくれ!愛してる。」
「…京子ばかり!私にも言ってくれ!そうだ私も生徒会に入れろ!」
「変わってないね~瑞穂」
こうしてめでたく(?)二人との付き合いが始まった。
これが正しい選択かわからない。
二人がいつ手を組んで、どこまで協定を結んでるかわからない。
だが俺に平凡な毎日が来ないのは決定的だ。
(次回最終回)