あ~、もう!せっかく会長との楽しい会議が~。
「連れ戻してくる。」
って私も会議抜け出したけど、好きな人と一緒に居たいってのは普通の感情よ!
副会長は常に会長の傍らに居るもの。
居るべきなのよ。
ホントはサッカー部より、ずっと私と一緒に居てほしいのに。
グランドに着くと…。
何?この人だかりとグランドに居る女生徒達…。
ウチに女子サッカー部は無かったはずですよ。
それにあの女、何まー君に偉そうな口聞いてるの?まー君も何でそんな女と楽しく(?)話てんの?耳が腐るじゃない。
どうやらまー君と勝負するみたいだけど女の方が断ってるみたいね。やる気が無いなら消えればいいのに。
「既に決着はついてる。お前一人と勝負する理由が私にはない。さっさとグランドを開け渡せ!」
何てジャイアンな女?
サッカーで勝ったから出てけって小学生じゃあるまいし。まー君、あんな女相手にしないで早く二人で会議に戻ろうよ。
「そっか、確かに賭けるリスクがなけりゃやる理由が無いわな。
よっしゃ、担保は俺の会長の腕章だ!高坂瑞穂、君が勝てば生徒会を好きにしていい。」
「面白い、ならば私が勝てば新設の女子サッカー部(本当は同好会)に予算をつけるぞ!」
「ああ、勝てばお前が会長だ。好きにすればいい。」
アッ、アホが二人…。バトル脳過ぎるんですけど(汗)。
あのですね、部活ってのは顧問を通して校長の承認の元で行われて…。
生徒会長はちゃんと選挙で選ばれて、予算は会計を通してって…誰もそんなの聞く雰囲気じゃないですね、ハイ。
ギャラリーは盛り上がって、もう誰も止めれません(涙)。
もう勝手にしてよ!
でも…まー君が居ない生徒会なんて…やだ…。
お願い…勝負するなら勝って!
私の大好きな会長様があんな女に取って変わるなんて死んでも嫌…。
でも状況は最悪だ。
まー君は二本連続でPKを決められている。5本勝負だから次決められたら負け。
素人の目に見ても彼女は凄い。
嘘、こんなの嫌、まー君が負ける姿なんて見たくない…。
私は無意識にまー君が守るゴールネット裏まで駆け寄った。
「まー君のバカ!何やってんのよ!
もうサッカー部だけの問題じゃないでしょう!
守ってよ!私との生徒会を守ってよ!
私何でもするからぁ。」
「京子、来てたのか?悪ィ、ヤバイ状況だ。だが、策はある。ホントに何でもするか?」
「えっ?うん…。」
私は絶対にうなずいてはいけなかった