ダレトク | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

彼が好きなのか分からない。
「彼は私を好きかも」との思いは消えなかった(笑)。

昼休み、私達はいつも通りトランプで大富豪をしていた。
彼が三回目の大貧民(最下位)になったのでトップの私が罰ゲームを決めることになった。

「面白い事言えよ。」

「言わなきゃお前が罰ゲームだぞ。」

無責任に友達が囃し立てる。

その時、悪魔は微笑んだ。
私は言ってしまった。

「彼女と別れて。」

教室内は一瞬で凍りつき、沈黙に堪えれなくなった彼の男友達が
「オレ、五限目の宿題忘れた~。」
と席を立ったのを切り口に私達は解散した。

その日はそれから彼とは口を聞かかった。

異変は翌日起きた。
隣のクラスの彼の彼女が休んだ。
原因はわからないが入院したらしい。

今日はやけに周囲の視線を感じる。
私を見て眉間にシワを寄せる者、何かを耳打ちされて口を塞ぐ者、ニヤニヤと嘲るように笑う者。

世界が変わって見える。

何も思い当たる節がないほど鈍感ではない。
やはり「あの事か?」
でも誰一人、直接私にそのことを言ってこない。

昼休み直前、私は今日もいつも通りに大富豪が「開催」されるか内心ドキドキしていた。
彼は朝から沈黙し続けている。
彼がシロでもクロでも今は近寄りたくなかった。

昼休みになった途端にあまり話たことない男子に呼ばれた。
「朝からお前の噂で学校中持ちきりだよ!
あいつらを別れさせた略奪女だってな。
なぁ、あいつよりオレと付き合わないか?『そういこと』いろいろ知ってるんだろ!」

「嫌~!」

怖い。軽い冗談のつもりが午前中でこんなことになってるなんて…。
保健室に逃げ込み、五限目を休んだ。
六限目が始まるまでの休み時間に、見たことない一年生が保健室に私を訪ねてきた。

「あのう…。先輩!ありがとうございます!私…部活であの女からその…酷い嫌がらせを…。
あの人の彼氏さんに注意してもらうように言ってくれたんですよね?
昨日の部活であの人が皆の前で私に謝罪したんです!
入院したんですか?天罰ですよ。」
再度お礼を言って一年生は帰った。

私は勇気を出して彼に問いただした。

「他に好きな女ができた。前から別れたかったからフッただけだ。きっかけをくれてありがとう。ちょっと突然すぎてあいつは体調崩したけどな。」
とだけ言った。

「私が好きだから?」
と言ってしまったのを後悔してる。

彼はあの一年生の女子と付き合いだした。