教父哲学の始祖、アウグストゥヌスは最初に修辞学の教師をしていました。
彼はその道を選んだのは、修辞学よりも その根源にあるギリシャ哲学に惹かれたからです。
偉大なるアウグストゥヌスの功績は
「神学」を確立したことよりも、
『修辞学にどっぷり漬から無かったこと』ではないかと考える。
修辞学は弁証方とも言い、要するに裁判の勝ち方を学ぶ弁論術の学問である。
それは如何に陪審員に最もらしくアピールするかであり、質問は詰問となり、反論は詭弁に陥りやすい。
そんな修辞学では無くて、その核となる物、即ち「どの様なスタイルで弁論するかと言う信念そのもの」をアウグストゥヌスは優先したのだ。
その信念こそがギリシャ哲学であり、それは最早アウグストゥヌスの哲学となった。
神とギリシャ哲学の融合は新プラトン派によって成されます。
しかし、これはギリシャ哲学の最期を意味するものでした。
明日はギリシャ哲学の斜陽を書きたいです。