
「誠はその成長を主として商業と工業に負っている」
byレッキー
「正直は徳の中で最も若い徳である」
byニーチェ
何が言いたいかと言えば、
「当時の武士は主君に『忠誠心』は持っていなかった」
と言うことです。
「誠」は産業社会が育てた「正直」を父母に持つ者です。
しかし、武士たる者は、
「主君の為に清廉潔白である必要ない」と考える集団だったのです。
主君の為なら嘘つきにもなり、
国家の為なら主君の過ちを命懸けで正したのでした。
また同時に卑屈に主君に仕えた者は寵臣(ちょうしん)、または寧臣(ねいしん)と蔑まれました。
忠義とは主君に恩返しをする行為です。(義とはマイナスを返す行為、よって主君からの借りを返す行動)
忠節とは自分、相手、または「時」に対しての正しい区切りです。
今で言う「ケジメ」ですね。
この忠義、忠節こそが武士の行動原理であり、「誠」とは程遠い集団です。
また、真に武士を知る外国人は勇猛果敢さではなく、武士の高潔な品性を高く評価しています。
それは「礼」をわきわまえているからです。
「義」が動的な徳なら、「礼」は静的です。
ただの作法、手順、マニュアルではありません。
「礼とは心の落ち着き。真に落ち着いた振る舞いで応対すれば、暴漢さえも思い留まる」
by小笠原清務(おがさわらきよむ)
です。
繰り返しになりますが、武士がイタズラに命を投げ出す集団でないことを理解していただけたでしょうか?
明日はその「武士」そして「侍」そのものを語りたいです。