プラトンの否定 大学主義とイデア論 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

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このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
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アテネ市内での演説と問答と言うスタイルを貫いたソクラテスは、その問答に敗北した偽賢者達に恨まれました。

そして告訴され、陪審員の票は僅差ながらも死刑となりました。(注 紀元前のお話ですよ)

そして死刑執行までに、牢獄から師匠を何とか脱出させたい。
と弟子のプラトンは考えますが、当のソクラテスはこれを拒否。
例え不正な裁判でも、自らをも不正をすることは出来ない。とソクラテスは死を選びました。

弟子のプラトンが持つ「師匠を救えなかった強い思いは、「大衆主義では真の賢者は育たない。
選ばれし民にのみ洗練された教育を与えるべき。」と一部の知的エリートのみに最高の講義をする。と言う考えにプラトンは到りました。
これが大学主義ーアカデミズムの誕生でした。

そして教えた内容は「イデア論」でした。
これは何とも解釈が抽象的になるのですが、
「私達が見たり聞いたりして感じとっている世界は全て仮の姿だ。
でも、知恵と勇気、節制により永久不変の真実の姿を知ることができる。
その姿はイデア界のみに存在し、現在の世界を「感覚界」と定義付けました。

人も草木も仮の姿の「影」を私達は見てるだけでイデア世界に行けば永久不変の姿に形を変えて存在している。と言う考えでした。

まあプラトンは哲学者であり、屈強なレスラーでもありました。
よって何とも体育系の
1 俺様の言うことわかれ。
2 わかったら俺様の領域にお前も入れる様になる。
3 それには修行だ
4 修行には我が大学に入れ。

といった感じでしょうか。

しかし、この難解で実生活に利益の薄いイデア論は弟子のアリストテレスに否定されます。
「私はそうは思わない。草木の本質は草木の中に。人間の本質は人間の中にある。」と。
これがアリストテレスの現実主義でした。

しかしそれから700年以上後にイデア論に傾倒し、「知恵、勇気、節制」を「信仰、希望、愛」で神の国に近づくことが出来ると唱えたのが

教父哲学者のアウグスティヌスでした