『ネスレ日本トップが明かす新・日本的経営 ゲームのルールを変えろ』高岡浩三

今日はこんな本を読みました。
グローバル企業であるネスレの日本社長、高岡浩三さんがリーダーシップやマーケティング、そしてイノベーション等について自身の経験・考えを書いた本です。
最近はイノベーションが特にキーワードですね。
日本を含む先進国ではすでに成熟社会になり、欲しい物・サービスがないことが背景にあるんだと思います。
経済とは結局のところ需要です。
欲しい物・サービス、すなわち需要がなければ人々は消費をしないので経済は発展しません。
だから、イノベーションにより、新たな需要を創出するということで経済を発展させようということになるんでしょう。
イノベーションといえば、iPhoneやfacebook等がよく例に挙げられます。
自分もイノベーションと聞くと、革新的な製品やサービスを創造するものだと思っていました。
しかし、この本の第1章では、イノベーションは5つの段階があると述べています(正確にはゲイリー・ハメル氏が提唱しています)。

最下層のプロセス・イノベーションはいわゆる業務の効率化です。
しかし、これは新しいものを生み出すのではなく、日々の業務の改善なので競争優位は長く保てません。
その上の階層にあるプロダクトイ・ノベーションとは、技術革新です。
ここで重要なのは、日本の多くの企業はこの二つのイノベーションは起こしてきたのですが、より上階層のイノベーションが少ないということです。
技術革新といっても、その技術はすぐに模倣されてしまう時代です。
そのため、技術革新の競争優位性も約半年程度しかありません。
近年の日本メーカーの苦戦の原因の一つではないでしょうか。
iPhoneは確かに製品としてもすごいですが、技術的にはそこまで新しいものはなかったようです。
それよりも、iTunesが音楽をCDから切り離し、いつでもどこでも自由に楽しめるというサービスを提供したことに価値があり、それはより上階層の構造的・ビジネスモデルイノベーションに当たります。
こうなると、競合は簡単には追いつけないため、長期的な競争優位性を確保できます。
技術的には可能であったのに、日本でなぜiPhoneが生まれなかったのかというテーマとも深く関係してますね。
そして、最上層にあるのが、マネジメント・イノベーションです。
本書ではその例として、ネスカフェアンバサダーが挙げられています。
これについては、まだまだわからないことがあるので、次回まとめてみます。
他にも、トヨタのかんばん方式が挙げられています。
私はかんばん方式は日々の業務を改善し効率化を図る点で、プロセス・イノベーションにあたるというイメージを持っていたので、少し驚きです。
かんばん方式についてもっと知りたくなりました。
イノベーションと聞くといわゆる技術革新を想起しがちだったので、上記の5階層の概念を知ることができたのは良かったです。
そして、確かに日本はものつくりということに対して大きな誇りをもっていますが、
そこに縛られると十分な競争優位が保てず、結果的に低い利益率という悪循環になってしまうので、より上階層のイノベーションを目指すべきなんですね。
人の働き方を新しくする。
これは今安倍政府がやっている働き方改革と何かつながるところがあるのでしょうか。
ちょっと表面的な内容ですが、世の中の現象を構造的に理解すれば、
何が課題でどこを目指せば良いのか明確になるということも学べました。