くっきりした夏雲の端っこが、

ほころびるのを眺めていた。


そこへ突然、台風が来て

さっと頁をめくってしまった。


呆気に取られていたら

「どんなに暑くても、もう夏じゃない」と

足元でコオロギが言った。



(オレの夏、連れて行かれた?)



だな、来年会おう。



今日から9月。