二十歳の風俗嬢との出逢いが僕を変えた。

疲れ果てた僕の人生に前を向いて進む勇気を与えてくれた君よ。

ありがとう。

三十半ばを過ぎた僕が見つけた純愛。

僕の不器用な愛を綴り、君に捧げよう。


Love Story for you... 「第一章」 

~ Dear, Haruka... 絆を追いかけて・・・ ~

001. そして僕は君に出逢った
002. 忘れていた事

003. 再 会

004. 突然の電話

005. 憧れの日々

006. 引き裂かれた恋

007. 自暴自棄な日々

008. 奇跡の出逢い

009. 君がいたから僕がいる

010. 酒浸りの日々~異国での出逢い

011. 彼女の怒り~その理由

012. 売 春

013. なるようになれ・・・

014. 夢と引き換えに得た場所

015. なぜあの時僕は君を抱きしめなかった・・・

016. 恋愛はモラルじゃ無い

017. 悲しい答えが木霊する

018. プラトニック ラブ

019. 無償の愛

020. 出 番

021. 恩返し

022. 自分勝手な夢


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日給月給で働いていたハルカにとっては仕事をクビになったという事がその時点で収入がストップするという事に繋がる。

それ程余裕のある生活をしていたとは思えない状況での収入ストップはいくら嬉しい事でも笑い事では無かった。

「早急に会って今後の打ち合わせをしよう。」とハルカに伝えた。

「はい、宜しくお願いします。」と答えたハルカはやはり不安の中にも開放感を感じている様子だった。


基本的には昼の仕事に戻りたいと言うハルカだったが、それだけの収入で生活をしていける状況では無かった。

昼の仕事を始めるとしても給料計算の締め日から給料日までの期間は全くお金を手にできない状況となる。

やはり一時は日払いを手にできる仕事に身を置くしか生きて行き様が無い。

そして日払いを手にできる仕事。


風俗か水商売。


会って話す前に電話で何度か話をした。

ハルカ自身も彼氏に隠さなければならない仕事に嫌気がさしていたのだろう。

「もしどうしてもお金の為にやりたいというならば風俗の仕事も紹介はできるけれど、これを機会に風俗は上がった方がいいと思う。」という僕の言葉にハルカも同意した。


「友達と一緒に新しくオープンするマッサージ屋さんで働こうと思っています。その面接が今度あります。」とハルカは言った。

僕は現実を突きつける。

「給料はいくらだい?」

「最初は時給800円スタートで頑張れば1000円に上がります。」とハルカが答えた。

日給で6000円にも届かない。

「それだけじゃ生きていけないよ。」


現実は甘くない。

僕が東京で水商売をやっていた頃、身一つで上京してきた女の子を世話した事が何度かあった。

まず考えなければいけないのは月々の最低必要金額。

それが意外にも多いのが現実だ。

ハルカに指示をする。

「会う日までに月々生活の為に必要な金額を弾き出しておいて。家賃、保険、税金、年金、ローン、生活費、雑費等。それぞれのできるだけ正確な数字を出してから色々と考えた方がいい。」


そして僕は一つの選択を迫られる。

水商売の「日払い」という力を借りなければ絶対に凌ぐ事ができない状況。

それは簡単に把握できた。

問題は何処で働かせるかだった。

水商売は僕の専門分野。

どの様な形でもハルカの力になれる。


もちろんハルカには彼氏がいるという事を理解はしていたが、ハルカに対する僕の熱い想いが消えた訳では無かった。

もしハルカを自分の店で働かせるならば、ハルカを一流のホステス・女性に育て上げる自信が僕にはあった。

完璧なフォローもできる。

しかしハルカに対する想いは断ち切らなければならない。

「自分の店に女を作るという事。好きな子を作るという事は御法度。」

それが僕の業界のルール。

店のトップである僕がルール違反をする訳にはいかない。


近くにいれば離れなければならない。

離れなければ近くにはいられない。

僕にとっての残酷な選択肢。


ハルカはきっと僕の事をただの良い人程度にしか想っていないのに僕は自分の夢を選択した。

「ハルカにもっと近づきたい・・・。」

今思えば自分勝手な夢だった。


「ハルカは知り合いの店に預けよう。」

そう決断した。


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僕は30手前で水商売の道に飛び込んだ。

深い意味は無い。

ただどんな世界だろうというちゃちな興味。


ずっと道の真ん中を歩いて生きてきた。

自分が通用しない世界など無いと高を括っていた。

そして予想外の挫折を僕は味わう。


初めてのいじめ。


それなりにトッポイ世界を生きてきた人間の集まり。

経歴は負けてはいなかったが僕には水商売の経験も知識も技術も無かった。

年齢は皆より上。

態度と雰囲気は一端だが仕事ができない。


「お前の目つきと態度が気に入らねぇ!」


そんな言葉を歳下の上司達から吐かれるオールドルーキー。


悔しさで壁を殴る日々が続く。

拳と共に心が硬くなっていく。

「こいつら全員追い抜いてやる。」

冷たい炎が心に灯る。


人の3倍考え、人の3倍動いた。

僕が恐らく人生で最も努力をした期間。


次々と決めたスカウト入店。

増えていく担当。

「リョウさんを押し上げよう!」

そんな思いを持ってくれた女の子達に僕は支えられた。


大手老舗グループの店舗責任者になるまでに要した期間一年。

グループ史上最速であった。


僕の力じゃ無い。


あの頃、数多くの女性達と真剣に向かい合った。

夢を語り合った。

過去を語り合った。

未来を語り合った。

仕事を語り合った。


そんな語り合った女の子達が僕を押し上げてくれた。


僕は女の子達に飯を食わせて貰っている世界で生きている。

もちろん奇麗事ばかりの世界では無く、むしろ汚い事の方が多いと言っても過言では無い。

嘘裏切りは当たり前。

常識では計り知れない事も少なくは無い。


傷付き合いながら、傷付け合いながら女の子達と共闘している世界。


募る女性不審と、募る女性との信頼関係。

毎日の様に浴びる温水と冷水。

麻痺していく感覚。

壊れていく感性。


こんな話を知っているだろうか?


「競馬関係者は馬肉を食わない。」


もちろん縁起も有るのだが、自分達の仕事に携わっている馬に対する敬意でもある。


多くの女性達に支えられている仕事をしている僕にも同じ様な思いがある。


「女性達を喰いものにしない。」


悪質なヒモ、悪質なホスト、悪質なスカウト、悪質な女性に対するキャッチセールス、悪質な風俗店、悪質な同業者・・・。

それらを僕は許さない。


ハルカの働いていたお店が悪質なのかどうかは別として僕は思った。

「そんな店、辞めちまえ。俺がもっと良い道を探してやる。」


多くの女性達の汗や涙、苦悩や努力が創ってくれた僕の現在の立場。


忘れかけていた大切な事を思い出させてくれたハルカに対してせめてもの恩返し。


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ハルカにのめり込んでゆいく自分。


18年ぶりの大切な恋。

触れてはならない存在。

超えてはいけない一線。

繋がる事を夢に見続ける絆・・・。


不思議とそれほど苦痛には感じなくなった。


自分の中で決めたルールを僕が守れば良い。


ハルカは僕に素敵な影響を与えてくれた。

そしてこれからもきっと与えてくれる。


僕はハルカの暗い瞳が明るくなる事を夢見て、ハルカの幸せを応援するだけで幸せだ。


もちろんそれが100%の本音ではない。


がしかし自分で決めたルールは守って生きてきた僕の人生。

そして何よりもハルカの笑顔が僕を癒してくれる。

僕はハルカの幸せの邪魔者にはなりたくない。

そう思っていた。



「辞めちゃえばいい・・・」

ハルカが風俗の仕事に対する愚痴が多くなってきた頃に僕は言った。


僕がハルカの仕事を否定した事は一度も無かった。

むしろ僕は応援していた。

「君は皆の天使なんだよ。嫌な事も沢山あるだろうけれど、頑張れよ!」

「女の子が一人で都会に生きて行くという事は大変な事なんだ。」

「お金の為に頑張らなきゃいけない。それが悲しい現実なんだ。」

その様な言葉を繰り返した。


しかしハルカのお店に対する愚痴は増えていった。

「全然、休みを貰えないんです。」

「他の人との待遇が明らかに違うんです・・・」

「私が何も言わないから我慢させられてばかりなんです・・・」


恐らく店にとってのハルカの存在は扱いやすい女の子だったのだろう。

田舎から出てきていつの間にか飛び込んでしまった何も知らない世界。

何も知らない子を店は店色に染めようとする。

店の考える理想を女の子に突きつける。

従わせようとする。

「仕事ってこうなんだ。」

「君はこうあるべきだ。」

「店がお前の生活を面倒見てやってるんだ。」

勝手な理論。


似たような仕事をしている僕にはよく理解できた。

そして自分を振り返る。

僕は同じ様な事を言ったり、したりはしていないだろうか・・・。


ハルカに伝えた。

「君は僕という盾と剣を手に入れた。我慢ばかりではなく言いたい事、言うべき事はしっかりと言いなさい。」

ハルカは言った。

「はい。これからは言いたい事はちゃんと言うようにします。」


ハルカの変化を店は気分良くは思うはずも無い。

「今までは言う事を聞いていたのに、最近は生意気になった。」

きっと店はそう考えていただろう。

そして店のハルカに対する当たりは強くなる。

悪循環。


店との意見の衝突話が増える。

だから僕は言った。

「そんな店、辞めればいい。」

「同じ内容でも、違う内容でも、どんな店でも僕が紹介してやる。」

僕の本音。

そしてさり気無い誘導。


僕はハルカにずっと風俗の仕事を続けて欲しいとは思っていなかった。

周りに対して隠し事が必要な人生を早く抜け出して欲しいと願っていた。


しかしハルカは言った。

「とりあえず、頑張れるだけは頑張ります。」

ハルカのそんな痛々しい言葉に僕は答えた。

「そうか。偉い子だな。」


本心だった。

そんなハルカだから無理やりに「辞めろ」とか「そんな仕事~」とは口にした事が無い。

ハルカの「頑張ります」が美しく輝いて見えていた僕自身も仕事を「頑張ろう」と思えていた。


暗い目と天使の笑顔。


ハルカに対する「何とかしてあげたい」という気持ちと、ハルカが与えてくれる「癒し」が生み出す僕の人生に対する素敵な影響。


僕の心はこの上無く釘付けだった。



ある日のハルカからの電話。

「お店クビになっちゃいました・・・」

少し嬉しそうな、少し不安げな言葉。


僕は言った。

「良かったな。一番良い辞め方だ。」

「大丈夫だ、人生って何とかなるもんなんだよ。」

「全て任せろ。何も心配するな。」


待ちに待った僕の出番がきた。


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ハルカとは電話をし合う仲となった。

もっぱらはハルカの人生相談や仕事の愚痴。

彼氏の愚痴等も混ざる。

話し内容に関係無く、そんな長電話は僕にとって至福の時間だった。


孤独の闇の中で長い間生きてきた僕にとっての一筋の光。

 

ついついの長電話。

削られる睡眠時間。

しかし全く疲れを感じない。

むしろ仕事に対するやる気が増徴していく。

僕の「これでいいや・・・」と考えていた人生にハルカが与えてくれた影響。

「もう一度、もっともっと伸し上がってやる。そしてハルカを全てから守ってやる。」


繋がる事を諦めた愛。

苦しい程の胸の痛み。

しかし僕はハルカに伝えた。


「きっと世界で君を一番に愛しているのは君の親だろう。だから僕は世界で二番目に君を愛してやる。」

僕は本気だった。


「親の愛って知ってるか?」


僕には子供がいない。

しかし、自分の人生で見つけた答えだった。

「無償の愛だよ・・・。何も見返りを求めない愛。」


ハルカはいつも「ありがとうございます。」と答えてくれる。

僕はハルカのその「ありがとうございます。」を追いかけて生きようと誓った。


ハルカの「ありがとうございます。」を追いかける事が、ハルカとの絆を追いかける事と自分に言い聞かせた。


繋がる事の無い愛。

繋がる事の無い絆。


しかし繋がる事だけが愛じゃない。

想い続ける事。

追いかけ続ける事。

それも一つの愛。


ハルカに「ありがとう。」と言われ続けられる様になりたい。

「絆を追いかけ続けたい・・・」

僕はそれ程にハルカを愛していた。


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