なぜ経済学?そしてなぜイギリスなのか? | LSE・経済学修士留学戦記(イギリス経済学大学院留学)

LSE・経済学修士留学戦記(イギリス経済学大学院留学)

2012年夏~2013年夏にかけてLSE・Economics修士に在籍。
これから経済学大学院へ留学する人に向けて、この1年の戦いを記録する。

留学準備編第一回目。

初回は、留学準備のためのテクニカルな内容ではなく、自分がそもそもなぜイギリス経済学大学院を目指すことにしたのかを書いてみたいと思います。


会社から留学の機会を頂いたとき、どのようなことを学ぶのか、どのような国に行くのかは比較的自由に選ぶことができました。

そのような中でなぜ私は経済学を選んだのか?


第一に、せっかくの留学の機会なので、他人と差別化を図れるような人間になりたい、そのために今後のキャリアにつながるしっかりとしたAcademicな知識を学びたいと考えていました。その意味では、経済学は私のキャリアには欠かせない分野であり、経済学部を卒業したこともあり、更にその知識を深めたいと考えました。



第二に、経済学は、グローバルスタンダードな学問のため、英語のように、経済学を学べば、世界どこでもその知識が通用するということです。特に、国際機関等で働く場合には、経済学の知識が不可欠とも言われています。



一方で、経済学がグローバルスタンダードの学問なのであれば、わざわざ海外の大学院に留学する必要はあるのか?日本の大学で学べばよいのではないか?という疑問がわくかもしれません。

日本の経済学大学院を卒業して、LSEEconomicsに在籍した先輩曰く、「勉強する内容は日本の大学院のレベルとそれほど変わらない」という話を聞きました。この点に関しては、以下の4点が挙げられるかと思います。


 国際的に高い評価の大学院に行くことによって、その後、評価の高い大学院のPhD等へ進むことが容易になります。


 国際的に評価の高い大学院に行くことはキャリアアップにとってもプラスです。たとえば、LSEEconomicsは金融・City街の就職に強く、グローバルに仕事をしたい人には確実にプラスだと思います。


 評価の高い大学院は、授業のレベルが高く、授業・コースストラクチャーがよくオーガナイズされています。日本の大学院には行ったことがないので単純比較はできませんが、日本の学部での授業と比べると比べ物にならないくらい全体のコースの枠組みがしっかりしていました。そのため、1年を通じて、かなりしっかりした知識を身に着けることができます(その分勉強は大変ですが…)。


 レベルの高い学生と切磋琢磨することができ、貴重な人間関係を築くことができますLSEEconomicsPhDを目指す学生が多く(当初は過半数!)、本当に優秀な学生かつ勉強熱心な学生が多いです。時には、「こいつには全く歯が立たない」と思うような天才に会い、その人と友人になることもできます。そのような学生たちとグループを組んで勉強したり、飲みに行って話を聞くことは大変貴重な経験になります。



さて、経済学を海外で学ぶことを決めた後は、どこの国に行くか決めることが重要になります。言わずもがな、経済学と言えば、アメリカが最も有名です。ランキングの高い学校も多くがアメリカの大学が占めています。

そのような中で、なぜイギリスの大学院なのか?アメリカの大学院と比較すると、イギリスの大学院については、以下のようなメリットがあります



 アメリカの経済学大学院は、基本的に修士と博士課程を兼ね合わせた5年程度のプログラムで構成されています。優秀なDoctorを輩出することを目的としており、修士だけを取るというプログラムにはなっていません(プログラムの途中にドロップした人が修士をもらう形になっています。)そのため、アメリカの経済学大学院は、Doctorまで行くつもりはないが、経済学を勉強したい、留学期間が1年~2年しかない、という人には適していません。また、年齢が高い人は合格は難しいそうです(友人談)。


 一方で、イギリスの経済学大学院は、基本的にマスターのコースは1年です。初めて経済学を学ぶ人のDiplomaコースを加えたとしても、2年で修士を取ることができます。そのため、期間・費用的を節約することができます


 更に、イギリスのランキングの高い大学で優秀な成績をとり、かつ有名な教授から推薦状を得ることで、アメリカのランキングの高い大学のPhDコース等へ入れる確率がアップします。また、優秀な成績をとれば(これが難しいのですが)、イギリスのPhDにはほぼ確実に行くことができます。このようにPhDへの橋渡しとして、LSEEconomicsに来ている学生はかなり多い印象でした。


 更に、英語の観点。アメリカの大学では、TOEFLが要求されます。私もTOEFLを受けましたが、アメリカの一流大学の英語基準は相当高いです。。。私の偏見かもしれませんが、経済学で数学が得意な人は特に英語が苦手な人が多い気がします。この英語・TOEFLの壁というのが私にとっては大変高いものでした。しかも、アメリカの大学院の場合には、英語の基準が満たされていなければ、即足切りと言われています。そのため、英語が苦手な方にとっては、アメリカの大学というのはかなりハードルが高いです。


 一方で、イギリスの大学院院というのは、TOEFLではなくIELTSで英語の基準を満たすことが可能です。また、また後日書く予定ですが、IELTSの方がTOEFLより簡単といわれており、イギリスの経済学大学院の場合、要求水準も低いです(ただし、オックスブリッジを除く)。


以上のような理由から、私はイギリスの経済学大学院に出願することにしました。これから海外の経済学大学院に出願する方々は、イギリスの大学院も視野に入れると選択肢がかなり広がるかもしれません。