オルカの歌が聞こえる | ブログ
10年以上前に読んだのですが、
八景島シーワールドでイルカやクジラに会い、また読んでみたくなり・・・

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日本ではオルカ(学名・オルシナス・オルカ)のことをシャチと呼んでいます。
また、オルカが生息するバンクーバー島内海に住むカナダ・インディアンからは「スカナー」シャチを意味する言葉で「優しい神」と呼ばれています。

その野生のオルカに巡り合った一人の日本人とカナダの少年との間に起きた夢のような物語とスポング博士(クジラ学者)が夢見てきたお話ですお願い

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カナダの少年に頼まれて和歌山県にあるマリンパークへ行った。
そこで6年間水槽の中で飼われていたので背びれが曲がってしまい疲れきって食欲もなくなってしまったオルカに会った・・・。

オルカは海に住んでいるけれど人間と同じ哺乳類。
水中では呼吸が出来ないので水面で潮吹きをしている。
クリック音という鳴き声を発し感じ音で見ている。(エコロケーション)
オルカは背びれで個体識別できる。(人間でいえば顔)

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潮の流れ、風の動き、杉の梢を感じながら少年とカヤックに乗り
オールを漕ぐ水音だけが静かに水面に響いていた。
突然、少年がオールを投げ出しポケットから金属製の筒を取り出し水面につけ耳をすまし、今度は慌てて吹き始め筒から泡が吹き出していた。
それを何度か繰り返しているとオルカが海面からジャンプをし姿を現した。
続いて小さいオルカもジャンプをした。

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少年は金属製の筒、お豆腐屋さんのラッパのようなものを吹いて、
オルカと会話をしていたのでした。
海面の中ではラッパを使い水面から顔を出したら人間の声で話している。
オルカもなるべくカヤックを揺らさないように気を使いながら、
ゆっくりと近づいてきた。
海の王者らしく堂々たる姿。
優しい小さな目を向けている。
鼻にかかったような甘ったるい金属音で鳴いている。
少年はオルカの親子が大好きで、
またオルカも少年が大好きで仲良しだった。

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ところが、世界中の海洋動物園や水族館でシャチが飼われるようになり
ショーでは大人気。
カナダでも捕獲が始まってしまった。
そして、まだ子どもだった少年と仲良しのオルカが目の前でお母さんオルカから引き離され連れ去られてしまった。
その時の鳴き声は悲鳴のように辛く悲しい声だった。

この事がきっかけでカナダではオルカの捕獲が禁止となったが、
すでに捕獲されてしまった子どものオルカは海に帰されることはなかった。

日本に帰る時、少年と約束をした。
仲良しの子どものオルカとラッパで話をしてあげて下さい。
きっと、狭いプールでさびしがって苦しんでいると思うんだ・・・
そして少年からラッパを受け取った。

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和歌山の白浜マリンパークで少年と仲良しだったオルカに会った。
ベンケイという名前になったシャチは背びれが曲がり疲れていた。
スカナー!!少年が呼ぶように声をかけた。
水面から浮かび上がった優しい眼からは涙が溢れ出していた。
調教師は眼を守るための体液です。
というが涙にしか見えない。
我慢できなくなってラッパを吹いた。
するとスカナーはスピードをあげてグルグルと泳ぎだした。

そして静かに沈んで行き何とも悲しい旋律で歌をうたっていた。
それはお母さんオルカから連れ去られた時と同じ歌だった。
ベンケイはカナダにいるお母さんに会いたくてたまらなかった。
3っつ離れた弟にも会いたかったのだ。

体調を崩してはラッパを吹きに来て元気になったりを何カ月も
繰り返しているうちにベンケイをカナダの故郷に帰してあげよう
という思いが込み上げてきた。

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そしてカナダから少年が来てくれることになり・・・
再会の時には何度も抱きつくように飛び上がり少年のラッパに合わせ胸びれで水面をバチャバチャさせたりジャンプをしたり元気に泳ぎ始め喜びを表していた。
少年が帰った後もベンケイは何とかショーに出ていた。
全国で「シャチをカナダの海に帰してあげよう。」
の運動がおこり募金もあつまっている。
マリンパークを運営する側の立場やマスコミ、運搬の問題、健康上の問題、様々な問題を抱えていた。

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けれどベンケイがカナダの故郷の海へ帰れることになった。
運搬準備→出発から離陸→ジャンボ貨物機で太平洋を渡る→内海の船

そして、みんなが見守る中、船からベンケイを担架で海に降ろすのを待ちわびていたかのように黒く光る2つの背びれが見えてきた。
ラッパを海に入れ耳をかたむけると喜びの歌をうたっていた。
そしてお母さんオルカは疲れて上手に泳げない弱ったスカナーにピッタリと寄り添い、弟オルカはスカナーを挟むように支えていた。
気がつくとまわりには、どこからあつまってきたのかたくさんのオルカが親子を見守っていた。
疲れ果てているスカナーを思いやるように静かに潮の流れにまかせながら泳いでいた。
その横にはカヤックに乗った少年の姿があった。

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傷ついたスカナーの心と体は自然の恵みを受けて癒されていくように見え、とても幸せな気持ちになった。
その後、3頭のオルカの親子が離れることはなかった。



地球は人類だけのものではない