大学生活2週間目! 履修お試し期間の最終日!


 俺は、とある先生のお試し授業を受けていた。試験がない出席日数さえ足りてりゃ単位がもらえるで有名な授業! こりゃ履修確定だな、わっはっは——


教師「それでは皆さんには学科ごとに別れてもらい、それぞれの学科の良さを"グループ発表"をしてもらいます」


 ——と思ったのも、束の間。安直な俺の希望は、ものの5秒で打ち砕かれた。


 『グループ発表』いやさ『狂ープ発狂』とはなにか。我が人見知り広辞苑には、こう記載されている。


 グループ発表:我々人見知りが最も狂い、発狂する事象。グループメンバーとも円滑なコミュニケーションを取ることができず、メンバーの中にひとりは居るであろう"仕切りたがり屋さん"の操り人形になるしかない。ちなみに発表時には、発表文をすこし多く読まされる。


 人生における苦手な出来事ランキング堂々の1位! あああ、嫌だああ! 発狂するうう!


メンバーの一人「このくらいの発表、僕ひとりでも出来ちゃいそうなんだけどNA~」


メンバーの一人「まあいいや、じゃあまずは、この人間心理学科の良さから順番に教えて~」


 学科別のグループに別れると、そこには案の定、仕切りたがり屋さんの上級生がいた。つかダブってるくせに偉そうだな、おい!


 他のメンバーは俺のほかに2人。ひとりは仕切りたがり屋さんの親友で、もうひとりは俺と同じ一年生なんだけど俺と違うところは——


一年生の彼「良さですか~。うーん、まだ入ったばかりなんで、そういうのよく分かんないっすね!」


一年生の彼「でもそういう分からないところのを、先輩たちからご教授して頂きたいです! よろしくです!」


 ——うまく太鼓持ちができるところ……。さっそく上級生2人に、気に入られていた。


 仕切りたがり屋に、その親友、そしてその二人の太鼓持ち。もうすでに俺だけ孤立する構図が出来上がっていた。このままではマズい! よしここはウケだ、ウケを狙いにいこう!


俺「この学科良さとかは、分かんないっすけど~……」


俺「あれですよね、この心理学科の先生って他人と話すとき『心理学勉強してるからお前の心なんかお見通しだぞ♪』みたいな顔してて面白いですよね~……」


 ……。


一同『シーン』


仕切りたがり屋さん「それじゃあ最後に、この紙に名前書いて回して~」


 スベった……タダ滑ったうえに心理学科の教師もとい、この心理学科全体をディスったみたくなってしまった……ああ、俺ってほんとバカだなあ。


 この時点で履修するつもりはサラサラないので、回ってきた紙には偽名を記載することにした。


 織田信吉、豊臣秀継、徳川yeahス。大好きな戦国武将をもじってバカバカしいのを作ろう。


 最終的に一番気に入ったのを記載して、席を立った。



『明智みつを。よろしくお願いします』



 人見知りだもの!!←