やあやあ。高3に降参生あらため、受験に受難生だ。英単語? なにそれおいしいの?


 今日が23日なら、試験当日は鬼はうち福はそとのめでたくない2月3日。つまりもう、二週間を切った。


 なのに現段階でほとんど勉強できていない。明日ヤロウは明後日ヤロウになり、明明後日ヤロウは馬鹿ヤロウになった。


 そんでもって今日英語の過去問に手を出してみたら、なんと34点も取れたんだ。合格確定? なにそれうまそっ!


 ……。


 いやマズい。100点満点の34点はぜったいにマズい。浪人確定? なにそれマズそっ。




 というわけで(いまさら)焦りはじめた俺は(いまさら)参考書を買うため、幼稚園まで妹をむかえに行く母親の車に飛び乗った。


母「なんで乗ってくのよ」


俺「元高校英語教師さんや。我が息子のため、その力、存分に発揮していただくぞう」


母「おりろ」


俺「参考書選ぶの手伝ってください!」


 妹のおむかえの前に本屋へ寄る……いやさ、寄っていただいた。


 数分間の熟考のすえ母親が……お母さまがお選びなさったのは『7日で合格!?英検三級予想問題ドリル』。過去問を見た母親曰わく、これを繰り返し勉強するのがベストらしい。


 幼稚園の駐車場に停められた車のなかで、園内まで妹をむかえに行った母親と、むかえられて帰ってくるであろう妹を待つ。


 待ちながら窓の外に目をやると、そこからちょうど、元いた中学校が見えた。


 中一と中三のときのみを過ごした学校。中二のとき俺は一旦ここを離れ、ちょっとばっかし頭のいい学校に転校した。


 でも、中三になって、再びこの学校に戻った。理由は……この学校に小学校時代からの片思い相手Nさんがいて、なんていうか、そいつのことを忘れられなかったからだ。


 戻ってきてからというもの……教科書も読まずに、そいつのほうばっかチラチラ。ペン回しするフリして、チラチラ。授業に集中せず、チラチラ。


 Nへの想いが増す代わりに、高調していたはずの成績は下降していった。そのまま底辺高校に行き、そして、いまに至る。


 完全なる自業自得だ。思い出すだけで情けないよ。


俺「ばっきゃろおおおお———!!!!」


 可愛いすぎたNさんと馬鹿すぎたあのころの俺に、青春ドラマよろしく怒鳴る。窓の外で通行人がこちらを振り向いていた。


母「うっさい! バカ!」


 帰ってきた母に怒られた←






 あのころの記憶を払拭するためにも、今日これからを頑張ろうと胸に誓う、深夜4時!!


 ……。


 やっべ、もう寝なきゃ、明日からの受験戦争に差し障る!←