ひとの悩みなんて、十人十色だろ? 誰かさんが夜も眠れないくらい悩んでることだって、別の誰かさんには取るに足らない些細なことかもしれない。
例えば……いい歳越えてまで若作りしてる同年代のオバハンたちを見て「アホくせー」とか言ってたウチの母親が、
2・3年前から、こっそり高級アセロラドリンクを買って飲んでるのを俺は知ってる。いい歳越えてまで見栄を張りたいらしい。アホくせー。
知ってるけど、これを他人に言いふらしたことはない。なぜならこれが、俺に取って取るに足らない些細なことだったからだ。
(まあ、いま言いふらしちゃったんだけどな。本人気にしてるから内緒だぞ。おまえらと俺だけの秘密だからな。しー)
つーわけでこれから話す俺の悩み事なんか、見栄っ張りな46歳のアセロラドリンクくらいどうでもいい話だ、っていうことを前提で聞いてくれ。
実は俺——
——友達が少ないんだ。
そして、それ以上に深刻な問題がもうひとつ。
さらに俺は——
——結構、寂しがり屋なんだ。
……。
ううう、うるせえなっ! 笑うなよ!
こちとら結構、勇気出して言ってんぞっ! わざわざ親のどーでも話だして、ハードル下げてんぞっ! 察しろ、バカヤロウ!
…とまあ、顔がアセロラドリンク並みに真っ赤になるくらい、俺にしたら恥ずかしい話だったわけだが。
実際、友達がいないわけじゃない。夜中にこっそり泡の出る麦茶を飲み合う仲のやつや、生意気な後輩に絡まれたところを助けてやった仲のやつもいる。
いるんだけど……それぞれとの関わりが密な分、数は少ない。具体的に言うと4人くらい。浅く広くって難しい。
しかもそのうちの3人は、中学の時できたやつらだ。正直に言うと、高校入ってから1人しか友達ができてない。だから年々その数は減ってるわけで。
今まで出来た友人たちの居ない大学に行く俺は、これからどうなってしまうんだろう……って思うときがある。さすが寂しがり屋だろ? でも不安なんだ。
しかもこれだけ寂しがり屋の癖して、それを表にだせない"人見知り"っていうスキルも持ち合わせてると来た。おまけにそんなに器量の深い人間でもない。
いまの俺を一文で表すなら、きっとこうだろう。
『人見知り!人嫌い!でも寂しがり屋!みんな構ってちょ☆』
……だめだ終わってる。でもこれが本性。本音。あー、しにてえ。
こんな俺でも、あと3ヶ月ちょいではじまるキャンパスライフで楽しく過ごす(友達を作る)ことができるのだろうか。
心配で夜も眠れない…←
