今日は、大学の見学に行ってきた。


 『江戸川大学』っていうところ。そこの大学には「人間心理学科」という科があって俺は、それにとてつもない興味があるんだ。


 ほら、10代半ばの青臭いバンドが紡ぐ歌詞のなかにこういう一節あるだろ? 『国語算数理科社会♪ そんなの将来、役に立たねー♪ 勃つのは俺のアナコンダサイズ♪ 淫数分解ふぁくゆー♪』ってさ。


 勉強出来ないやつの言い訳にしか聞こえないだろうけど、あれって結構、言い得て妙だと思うんだ。 (いや俺のガラガラヘビサイズ自慢するっていみじゃなくてね)


 国語算数理科社会が将来の役に立たないわけじゃないけど、どうせ勉強するなら、ひとと関わる上で最も役に立つそれを勉強して、将来損をすることはないと思うんだ。


 あと……それよりずーっと偏差値の低い俺が言えた義理じゃないけど、あんまり偏差値の高いところではないみたいだ。 (進研ゼミのサイトには41って書いてあった)


 現段階で学校見学をはじめるような高3に降参生が、降参せずこれから勉強することで、好きな科目が勉強できるようになるとすれば……それは充分すぎる条件だと思わないかい? だからこそ、この学校を選んだんだ。




 そして今日は、その第一志望『江戸川大学』の学校見学に行ってきたのだ。


 見渡す限りの広ーいキャンパスに、見渡す限り忙しそーな生徒たち。


 案内担当の先生曰わく、今日は卒業論文の提出日だったらしい。おかげでそこら中、血相を変えた4年生たちでいっぱいだった。


俺「……」


 そんななか青い顔をして、校内を渡り歩く人見知り王の姿有り。


 ただでさえ苦手な人混みに、ただでさえ苦手な人たち(女子)が混じってるという、ただでさえ苦手な状況を、しかも学生服で歩かなければならないという地獄。


俺「……(うわぁ、食堂ひとがいっぱい。頼むここは通り過ぎてくれ、頼むここは通り過ぎてくれ、頼むここだけは——)」


案内担当の先生「じゃあ、突破しようか~♪」


俺「…はい…(——って通るんかいいいい!!!!)」


 強行突破敢行。みなさんの好奇の目ひとつひとつが、ナイフとなり槍となり俺を襲う。


俺「……(うわぁ、図書館もひとがいっぱい。しかも超白けてる。頼むここだけは無理、頼むここだけは無理、ここだけは無理——」


案内担当の先生「さあ、入るよ~♪」


俺「…はい…(——嫌やあああああああ!!!!)」


 またも強行突破敢行。白けた空間での好奇の目は、通常の三倍の威力。ひとつひとつがミサイルとなって俺を襲った。




 そんなこんなやってるうちに学校見学終了。帰り掛け、先生に「せっかくだからスクールバス(生徒さんたちもこれに乗って帰ります)乗って帰ったら?」って言われたけど、もちろん断っておいた。人見知り舐めんな。


 まあ、綺麗だったし、中々に設備の通ったところだったと思う。(図書館なんか四階まであって、さらに五階にはパソコン室まであった)


 やっぱ実際行ってみてよかったな。実際行ってみて、やっぱりここにしよう、って思えたし。


 ただ…ひとつだけ問題をあげるとすれば、やはり——




 ——学校側がどうこうじゃなく、俺の人見知りスキルだよなあ。


 電車は、人の多い快速を避けてわざわざ時間のかかる普通車に乗る……人見知りスキル。


 レジでお釣りを渡されるとき、手が触れないよう(触れられて嫌な顔をされないよう)気を使い過ぎて買い物いかない……人見知りスキル。


 ひとと話すとき、目を合わせられないので、おっぱいに目を合わせてしまう……これは男子校生スキル。




 "人見知りを克服のため"という意味でも「人間心理学科」を希望しようと、胸に誓う深夜2時!!


 ……。


 やっべ、今日まだ勉強してねえや! これから徹夜だな! がんばるぞう(汗)←