そいつが現れたのは1時頃。
俺が友人F宅で、Fと一緒にGカップグラビアアイドルのDVDを見ながらベッドに横たわっていたとき——
友人F「ぐへへ、このGカップグラビアアイドルやべーなぐへへ」
俺「……って、おい! ちょっと待て!」
友人F「あん? いまいいとこだぞ止めんなよ」
俺「いいから待て! とりあえずDVD止めろって!」
友人F「うっせえばーろー! 18歳最初で最後の卒業式邪魔をするなっ」
俺「ほっほーう。いいんだな止めなくて。一生後悔することになるぞ」
友人F一生だあ…? わかったよしゃあねえな……はい、止めた」
俺「ちがうちがうもうちょい前」
俺「あ~、そこ。そのへんで止めて」
友人F「こ…これは…」
俺「な? 止めてよかったろ」
友人F「ポ…ポロリだぁぁぁ!!」
ポロリを発見した。
友人F「いやっほう! ありがとう、おまえのおかげだ」
俺「はん。まあそう気にするな! そんなことよりDVDの続きを——」
俺「……」
友人F「ん? どうかしたか? はっは、まさかまたもやこのGカップのポロリを発掘したんじゃ——」
友人F「……」
テレビの前のGカップに見とれていたら、床下のGに気付いた。
G「……」
俺「……」
友人F「……」
俺「Gと、じぃーと見つめ合う」
友人F「……」
俺「……」
友人F「って、言ってる場合か叩きつぶせえええ!!」
俺たち『うををををを!!!!』
G「ササッ」
そこらへんにあった参考書を丸めて襲いかかる俺たちを尻目に、Gはそそくさと机の下に隠れる。
友人F「この俺から逃げられるとおもうなよ! くらえ必殺、Gフィンガー!」
俺「よせばか。素手でつかめるか。俺にまかせろ」
俺はGがそこから逃げられないよう、机の周りを物で固めると、
俺「それっ」
友人F「ああ! 俺のガムが!」
ガムを投下した。おびき寄せ作戦だ。
そして、待つこと10分……やつは、ふたたび現れた。
G「ササッ」
G「ササッササッ」
なにも知らずおとりに近付いてくG。
友人F「おとりっつうかそれ俺のガム!」
そしておとりに食らいつく。
友人F「ああー! おれのガァァムゥゥ!!」
俺「いまだっ」
ベシッ!
気合い一寸。Gはひっくり返って足をばたつかせた。
友人F「って、いま俺の参考書で叩かなかった…?」
俺「そこー!」
さらにそいつの上にガラスのコップを被せると、すすすっーと、床とそいつの間に紙を滑り込ませる。
紙が敷いてあって、そのうえにGが居て、そのうえにコップが被さっている状態。
友人F「あああ! 俺のコップううう俺のルーズリーフううう!」
俺「殺しちゃかわいそうだからなっ」
瀕死から復活し、なかで動き回るG。俺は逃げられないよう、紙をコップの口状に折ると——
俺「飛んでっけええええ!!!!」
——窓の外へ放り投げた。
『パリーン!』
アスファルトとガラスコップの、祇園精舎の鐘の声。
俺「達者でな~もう来るんじゃないぞう~」
去りゆくGに手を振ると、友人Fを振り返る。
俺「さあ、続きを見ようか」
友人F「おまえもう帰れ」
夏の夜空はすがすがしい色をしていた←