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 晩飯時。

 母親が(どっかの竹藪から)パクってきた笹に、喜んで短冊をくくりつける妹たち。



長女「プールで25メートル泳げますように」次女「たこ屋さんになれますように」三女「○△※……」



 たこ屋さん=床屋。三女の願いは、視力1.0を誇る俺ですら解読できなかった。




 さて、今年も七夕がやってきやがった。


 夜空の向こうじゃ、織り卑雌とシコ星のバカップルが、天の川をベッドにした年に一度の合体パーティー開催しているとこだろう。


 だが生憎、俺たちの住む地域じゃおまえらの乱交パーティーなんか雲のモザイクさんがちゃあんと覆い隠してくれている。ざまあ見ろ。


 夜空のバカップルに嫉妬して俺の数少ない(うるせえな、いいんだよ)恋愛話をあげるとしたら……




 そうだなまず、時間枠を小6のこの時期に戻そう。


 7月のはじめ、席替えがあった。


 真ん中の前から三番目の席。隣に座るは、ちょっと風変わりで話したがりなN。


 決して美人とは言えない顔立ちだったが(友人一同に、Nのことが好き、とバレてかなり引かれたのを覚えてる)……色々な身の上話を持ち出しては、色とりどりに変化していくその表情に惹かれるのに時間はかからなかった。


 初恋だった。無駄にダボダボな服(当時はそれがカッコいいと思ってた)を着てみたり、


 無駄にワックスをつけて狼みたいな髪型(当時はそれがカッコいいと思ってた)にしてみたりした。


 そんなことをし続けた四年間、なぜかクラスはずっと同じだった。


 ま、ずっと同じだったからこそ……なんつうか、その……気持ち?みたいなのは、バレバレだったかもしれない。


 ま、バレバレだったからといって、告白したわけでもないけどな。


 その四年の間は、三回くらい別のひとと付き合う機会もあったが(当時俺は勇者だった)……どれも、二週間と続かなかったのを覚えてる。


 要はそんだけ一途だったって話。


 ほんでもって中学を卒業しNの元を離れてから二年がたった高二の夏。


 長崎に住むMってやつと遊園地に行ったとき、Mのあまりにもあまりにもな格好(刺青入ってた)を見て、


 長年Nで培ってきたチェリーの夢は、あえなく砕け散ったわけだ。ちゃんちゃん。




 いや、片思いって素晴らしい。


 はやく男子校の牢獄を抜け出して、夢見ごごちだった四年間を忘れさせてくれるような、衝撃を受けたいもんだ。とほほ。


 とはいっても、俺さまの場合——




写真:妹プリンセス




 ——自宅で、その衝撃を受けうる毎日だけどなあ!!


 はっはっは、俺さまとしたことが妹たちに片思いしてたの忘れてたよ! やっちった~! てへ☆←


 短冊に書いておこう! 『今年中に妹と結婚できますように』と!


 ……裏には、『今年の同窓会でNさんに会えますように』と書いておこう←