今日、というか昨日、というか一昨日。すなわち5月29日の日曜日、俺は徹夜した。
理由は単純明快。だれよりも早く教室の鍵を開け、クラスメートの机の中からプリントを勝手に持ち出し、勝手にコピーし、勝手に机の中に戻さないといけなかったからだ。
早起きして学校に向かう方法もあったが、晩年二度寝生活の俺に、早朝に起きる自信はなかった。
あァ? 「ぶひゃひゃっ、コピーさせてもらう友達いないのかぶひゃひゃっ」だと?
うるせえな、いいんだよ。ハードボイルドは孤高なんだよ。ニヒルな俺なんだよ。
たしかに「貸して」のひとことですべて解決する問題かもしれない。
でもそれをさせないのは、俺の安っぽいプライドだ。他人に借りを作りたくない。他人にものを頼みたくない。
それに俺の答える順番がくるたび、俺にプリントふんだくられる斜め前のやつの嫌そうな顔を見るのも飽きてきたしな。俺は心優しき映画版ジャイアンなんだ。
まあ、その顔を見るためにわざわざ持ってこなかった時期もあったがな。俺はたまにアニメ版ジャイアンなんだ。
そんなわけで、俺のジャイアントじゃない一日がはじまった。
早朝4時。
眠たい目をこすりながら(いや実際寝てないのだが)登校→車が通ってなかったので道路の真ん中を歩く→テンションがあがりカラスに声をかける→すると雨がふった→「ちくしょー!!」言いながら傘をさしてるとランニング中のおっさんと目が合う。
早朝5時。
電車に乗り込む→もちろん1番車両→もちろんうたた寝→後頭部の窓がガタガタ→頭もガタガタ→そんでもうたた寝→気付いたら品川だった。
朝6時。
目が覚める→血相を変えて引き返す→下りの電車に乗り込む→目の前の女子中学生が可愛い。
朝6時10分。
目の前の女子中学生が足を組み替える→パンツは……残念ながら見えなかった。
朝7時。
なんとか学校にたどり着く→下駄箱を確認する→幸い、クラスメートはまだ誰もきていなかった→胸をなで下ろしつつトイレへ。
朝7時20分。
さっきの女子中学生を思い出しながら用を足していたらこんなに時間がたってしまった→職員室からクラスの鍵をくすね、教室へ向かう。
朝7時30分。
教室にたどり着く→鍵を開け、入室→さっそくクラスメートSの机の中からプリントを取り出す。
朝7時35分。
持っていないプリントを照合するため、俺の机の奥深く眠っていたプリントとSのプリントを見比べる→すると衝撃の事実が判明→俺はすべてのプリントを持っていた→机の中に入っていただけで、なくしてなどいなかった→まさに衝撃の事実→いやさ笑劇の事実。
朝7時40分。
することがなくなった→仕方なくトイレに向かう→個室に入ると、また、さっきの女子中学生の姿が脳裏に浮かんできた。
こんな感じの無駄骨な徹夜だった。てか、無駄しかねえよ。
でもまあ、正直、それなりに楽しかった。
なんつーか、たまにはこういうのもありかもしれない。
早起きは三文の得。徹夜は三文の無駄とJCの得。
じゃあ、寝る前にもっかいトイレ行ってくる←