こんにちは

今日はちょっぴり業界用語を含めた面白ばなしをしたいと思います。
同期のKちゃん。
お姉さまがイタリアに住んでいて、先日お姉さまのいるローマに遊びに行った時の話です。
JALがイタリア全便から撤退してしまったので今は
アリタリア航空しか日本発着のイタリア便は飛んでいません。
成田ーローマ間はいつもど満席。
Kちゃん、ご主人さまはキャプテンだからエアラインの割引きシステムでアリタリアに搭乗したそうです。
ローマ、フェミチーノ空港で
「残念ながら席はございません。」
「
…」

自分だけ日本に帰れないのか?
心配したKちゃん。
すると神の声が。。
「crewですよね?ジャンプシートでいいですか?」
ジャンプシートとは乗務員が簡易的に座るカッチカチの居心地悪いイスのことです。
人のいいKちゃんは有難くアリタリアのGSさんのご提案を呑み、家族と一緒に帰国の途につける運びとなりました。
しかし。。
カッチカチのシートに座ること13時間

しかも、トイレの横。
「すみません、トイレ詰まってますけど
」

「あ、私はアリタリアのCAじゃないんです
」

「ちょっと、食事まだ?」
「私はアリタリアの者じゃないんです
」

「免税品を買いたいんですが。」
「アリタリアのCAじゃないっつーの
」

ジャンプシートに座っているからアリタリアのCAに間違われ過ぎて、Kちゃん、終いには
「はいはい、トイレはこちらに並んで下さいね
」

と仕事をし始めました。
それを横目に、アリタリアのCAさんは
「Good job
」


助かってますって感じだったそうです。
乗務員がプライベートで他社便に乗る時、大概ドアに接した席か不具合のある席のどちらかです。
私もBAやAFにプライベートで搭乗した時はドアの横でした。
要は、緊急時は手伝えってことなんです。
航空機はoverbookingをしますので、時折キャンセルがないと数名をボランタリーで次の便に乗って頂いたりします。
一名くらいならば、ごく稀にジャンプシートに座って頂くこともあります。
日系はこういったことはもうしていないかもしれませんが、外資はフツーに今でもやっています。
アリタリアのCAさん、猫の手も借りたい成田ーローマ間で、Kちゃんの働きでかなり助かったことでしょう。
私も以前、プライベートで乗ったDLのGLYで片付けをやりましたし、日本語アナウンスまでやってしまいました

JALの客室本部の1番偉いAさまが私のチーフだった頃
「いい?エアラインは世界中どこのエアラインともつながっているのよ。空がつながっているようにね。」
そう教えて下さいました。
他社便でも手伝う。
助ける。
誰かが大変ならば、手の空いてる人がやればいい。
持ちつ持たれつ。
世界のエアラインはこんな風に同業者愛で溢れています

L&Rアカデミー
太田真美子