こんばんは

久々のJALネタです。
今日は朝から先輩Sさんとご一緒していました。
私のブログにしょっ中登場するSさんは、海外留学、ご出産、育児を経てきたのでチーフではなくパーサーでした。
しかしながら、フライト経験はチーフよりも機長よりも豊富でした。
この便にSさんがいれば安泰
というくらい私は安心しきって仕事をしていました。

ある時、Sさんとフライトご一緒している時に急病人が発生しました。
「お客様!お客様!大丈夫ですか⁈聞こえますか⁉︎」
機内にCAの大声が響き渡りました。
そのお客様は意識がなく、口から泡を吹いているとても危険な状態。
反対側でカートを引いていたSさんが、途中でサービスを中断。
すぐさま意識のないお客様の所へ直行し、第一発見者のCAに
「あなたは今すぐ酸素ボトルとAEDを持って来て!」
と指示。
次はその意識のないお客様の周辺のお客様に
「このお客様に酸素マスクを着用しますので、どなたか男性のお客様はこの意識のないお客様を床に降ろして下さい。」
と指示。
その間にSさんはチーフに報告し、私にドクターコールをするように指示しました。
ドクターコールとは機内にお医者様がいらっしゃるかアナウンスをすることです。
私は直ぐに、日本語と英語でお客様の中でお医者さまか看護士さんがいるかどうかアナウンスをしました。
一刻を争う緊急事態

ファーストクラスからチーフがやってきて、しばらく急病人の所でお客様の状態を確認していたら、Sさんはチーフに
「あなたはチーフでしょ⁈ 戻りなさい!誰が機長と連絡を取るの⁈ 成田に着いてからの救急車のリクエストをして!お客様の状態は私が報告します!」
とズバッと言い切りました。
急病人が出ていても、他に何百人ものお客様が機内にはいらっしゃいます。
その大多数のお客様を蔑ろには出来ません。
全員の皆さんを無事に目的地まで送り届けることが我々の一番の責務です。
有能な一人一人のCAと、経験豊富なパーサー。
乗員やお客様の最終的な全責任を負うチーフ。
特に中間管理職的存在のパーサーの役割はワークロードの比重がかなりのものです。
時にはチーフをも指示して動かしたりもします。
Sさんとそんな話をしながらがらランチしていると
「あの時は本当に大変だったわ~。結局お客様は助かったから良かったけど、膝がガクガクだったんだから
」

と。
あんなに冷静に順序立てて人に指示し、人命を救ったSさんでしたが、やっぱりあの時は危機感でいっぱいだったんだ。。。
機内は常に非日常。
何かが必ず起こります。
急病人だけではなく、泥酔、喧嘩、喫煙、盗撮、窃盗…。
しかし、努めて冷静に対処する度胸もCAには必要不可欠です。
チームで仕事するって学びが多くあります。
偉大で頼り甲斐がある大先輩がJALには沢山いるなぁとしみじみ感じました。
「妖怪か魔女の館よ。」
SさんはJALをそう言っていました。
うん、うん、解る。
私もそう思います

L&Rアカデミー
太田真美子
JALではパーサーとは今は言いません。
コンパートメントリーダーと言いますが、解りやすくするためにパーサーと今回は表記しました。
Sさんも私も妖怪ですよ
