週末が近づき、普通ならリラックスムードになるところですが、今週に限っては緊張が高まっています。 明後日は、学会で学生が発表する日なのです。 学生たち本人よりもむしろこっちのほうがやきもきして緊張しているかも。 たぶん、子供を持つ親なら同感でしょうが、運動会でもピアノ発表会でも身内が何かするときは、本人同様もしくはそれ以上に家族が緊張しますよね。

 

ところで、この心理はどこから来るのでしょうか。「緊張」と表現しましたが、言い換えると「不安」とか「心配」の要素が強い心理状態ですから、間違ったり失敗したりしてみじめになることが怖い、ということのように思います。 人間というのは、ちょっと先のことをいつも悪い方向に
考えてしまう生き物なのかもしれません。 つまり、うまくいったときのことよりも、失敗したときのことを第一に考えてしまうのが普通の人間のようです。

 

これではいけませんね。 発表でもピアノ演奏でも、せっかく一生懸命練習したのなら、まずはうまくいった姿を第一に想定するほうが自然です。  きっとその気持ちが、無意識のうちにも結果を良い方向にもって行くと思うし、このような想定を続けると健康維持にもいいはずです。 これから数時間後にはいよいよ出かけますが、車中はそういう気持ちで自分にも学生にも接するように意識しようと思います。

 

最近、書こうとしている内容の前に、ついついこんな小噺をしてしまいますが、やはりいろいろな雑念のようなものが日々頭の中を巡っているのでしょう。 いけません。 ここで気をとりなおして「サウンドオブミュージック」に頭を切り替えます。

 

このミュージカルは、マイフェアレディとは真逆で、ストーリーよりも音楽のほうが印象的でした。 映画の中でも10曲くらいは流れたと思いますが、ほとんどが記憶に残りました。 あまり巷で流されることはありませんが、アンドリュースが演じるマリアが修道院に行ったときに修道女が歌っていた「マリア」という歌などもスゴク魅力的ですし、オープニングの音楽からエンディングまで、とにかくみんなが知っている有名な曲が満載です。

 

ピアノでもそれぞれを何度か弾きかじったことがありますが、原曲に近い編曲がされているものは、さすがに和音の響きなどに瞠目するような驚きがあります。 たとえば「ドレミの歌」も、そのように編曲されたものをピアノで弾くと、「あースゴイ」と思わず涙がでるような和音の気持ちの良い響きやつながりがたびたび出てきて、歌を聴くのとは違う魅力が湧いてきます。 ただ、意外に難しいのも事実です。 ピアノ発表会などでは、こういう曲は小学校低学年が弾くイメージですが、上級者がきちんと弾くと、聴いている人たちに全く新しい魅力を伝え、決して楽しく歌うだけの曲ではなく、音楽としての芸術的な素晴らしさも持っているのだと思ってもらうことができるのではないでしょうか。 

 

いま、メドレーの中に入れようと思っているのは「私のお気に入り」と「すべての山にのぼれ」です。 特に前者は、市販の楽譜もたくさん出回っていて、以前には CM でも流されていましたから、特に有名な曲ですが、ピアノ音楽特有の良さを表現できるように自分でも和音や伴奏の方法を考えようと思います。 あまりいじくりまわすのは、作曲者のリチャード・ロジャースさんに失礼かもしれないですが、曲の魅力を引き出そうとする目的なら、ある程度は許してねと言いたいところです。 この曲は、ストーリーの中で、マリアが自分の好きなものを様々に挙げて子供たちに紹介するシーンに使われていますから、やはりわくわく感が大事ですね。 次第にうれしくなってくるような感覚がどんどん出てくるような演奏を目指したいものです。

 

ところで、「すべての山に登れ」を書く時間がなくなってきたようです。 次に持ち越し。