朝起きて煙草を手に取る。
先週から『室内禁煙』している事を僕は覚えていたので、ベランダに出た。
やはり冬のベランダは寒い。
冷たいライターで火をつけて、朝の至福の一本を味わいながら、椅子に腰掛け高速道路を眺めた。
今日は前に務めていた会社の人達との忘年会がある。
もう辞めて三年以上経っているが、未だに仲良くこういった集まりがあるのは、嬉しいことだと思った。
夕方ごろ電車に揺られ、僕は神戸は三宮へ向かった。
もう十二月も終盤に差し掛かり、クリスマスムードな街に少しやるせない気分になりながら、会場のお店へ。
いつも通りのテンションで飲み食いしている所に遅れてきた形になった。
僕が会社を辞めてから入ってきた子たちもいるが、みんな良い子達で、すでに仲良くやらせてもらっているのはありがたい事だ。
楽しい、いつもの会話とテンポ。
本当に良い出会いをしましたね。と、大いに呑んで食べた。
酔いが進み、何でか十年後どうなってるか。という漠然とした話になった。
その時、一番年下の女の子が、ずっとこの感じがいいです。みんなでワイワイやって、集まる温かいこの感じが。
と少し照れながら言ったのが、とても漠然としてるけど、良いと思った。
本当に良いと思った。
年に数回しか会う事はないのだけれど、大切にしたい繋がりだと思う。
そう思えるような人達がいるのは本当に幸せで、少しだけ涙腺が緩んだ。
十年後、あなたは何を大切にして、何を感じていますか。
時々、幸せ。くらいが丁度いい。完

