現在、僕が院長を務めるハタイクリニックには、北は北海道から南は沖縄まで、全国津々浦々から患者さんが訪れます。他の病院で「もう打つ手がない」と言われ絶望した人や、さまざまな治療法を試しては落胆するのを繰り返してきた人が、わらをもつかむ思いで遠路はるばるやって来るのです。

 

その1人で名古屋から僕のクリニックを訪れた方がいました。某有名企業を経営する40歳の男性です。その方は2年前にあごの下のリンパ節に腫瘍が見つかり、放射線治療により進行を抑えていました。しかし2年後、その下咽頭がんが急速に活発化し、3cmに大きく成長してしまいました。そこで手術が必要となったのですが、下咽頭がんの手術は声帯を切除せざるをえない、つまり「しゃべれなくなる」という衝撃的な告知を受けたのです。

 

その方は大企業の社長さんで、連日おおぜいの部下を相手に檄を飛ばしていましたから、「しゃべれなくなるなんて、とんでもない」と手術を拒否しました。そして一縷の望みをかけて僕のもとを訪れたのです。対面した時、あご下から首筋にかけてボコンと大きく腫れているのに目を奪われました。ここまでがんが大きくなってしまうと、普通は手術するしか手段はありません。しかし声を失いたくない。なんとかその願いを叶えるために、僕はなるべく多くのビタミンC点滴を行なうことと、断糖の併用することの必要性を説きました。

 

この患者さんには週3日、100gのビタミンC点滴を行なうために名古屋から東京まで通ってもらいました。その間、名古屋の病院で抗がん剤と放射線による治療も受けていました。ところが症状を深刻とみた主治医からまもなく入院を命じられてしまったのです。入院してしまえば名古屋から東京のクリニックまで通えません。しかたがないので、僕は名古屋にいる知り合いの医師に頼んで、病室でビタミンC点滴をやってもらうことにしました。

 

患者さんには入院中、散歩といって病院を抜け出してもらい、知り合いのクリニックでビタミンC点滴を受けてもらいました。彼は「ちょっと散歩してきます」と言っては病院を抜け出し、点滴を受けては帰ってくるという生活を繰り返しました。

 

もうひとつ、入院といえば食事が問題です。病院食を食べてしまうと、断糖療法になりません。そこで彼には病院食を拒否して、家族に断糖の食事を持ってきてもらうようにしました。こうして、入院中も断糖生活を継続することができました。

 

ビタミンC点滴と断糖を始めてまもなく、この患者さんのあご下の腫れは小さくなっていきました。3ヵ月後の画像検査ではがんが消えていました。長い間治療しても消えなかったがんが急速に小さくなり、消えてしまったので入院先の主治医は首をひねっていたそうです。

 

がんが完治した彼は、今では退院して元気に声を張り上げ、写真を叱咤激励しています。現在は月に2回、25gの点滴を予防的に行なうのみ。断糖はやめて、もう普通の食事と摂っているそうです。

 

▼断糖(糖質制限)がガンを治療するメカニズム解説はこちら
http://dr-nishiwaki.com
(西脇俊二『超高濃度ビタミンCと断糖療法でガンが消える!』より)

 

 

 

 

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