2008年ごろから僕はハタイクリニックで週1日だけ診察を受け持つようになりました。その後、2009年には院長に就任し扱う代替医療の幅を少しずつ広げ、ビタミンC点滴療法と断糖食事療法も提供し始めました。こうして僕は精神科医でありながら、がんの患者さんを治療するようになったのです。

そこにやって来たのが、ある胃がんの末期患者の方でした。その方は余命6ヵ月と宣告されていました。最初は総合病院で胃の手術をしたのですが、再発。その後、抗がん剤治療を受けたのですが、副作用が辛くて、逃げ出してきてしまったのだとか。そういう患者さんは、うちのクリニックによく来ます。

「あんな苦しい治療ではなく、何か他にないものか……」

多くの末期がんの患者さんやご家族がそうするように、この患者さんも必死になってあれこれ調べたそうです。そこで「ビタミンCがガンに効くらしい」という話を聞きつけ、インターネットで見つけたクリニックを受診することに決めました。

しかし、そこは美容専門のクリニックで、当然のことながら美容目的でしかビタミンC点滴を行なっていません。ビタミンC点滴についての説明も不十分で、失望してしまいました。その後、僕のクリニックの話を聞きつけて、やってきたのだそうです。僕はビタミンC点滴の作用についてお話しし、加えて食事を断糖にする必要があることを説明しました、この患者さんはこれに納得してくれて、治療がスタートしました。

この患者さんの症状はかなり深刻だったので、本当は週に3回から5回、点滴をするのがベストでした。しかし、経済的に余裕がなく、やむをえず週1回だけ、100gの点滴をすることにしました。この方が初めてクリニックに来た時、僕は強烈な「死の臭い」を嗅いでいました。ですから正直言うと「さすがに無理かもしれないな……」と思っていました。ましてや週1回の点滴では、なかなか治療効果が上がらないだろう、とも。こう思ったのは僕だけではありません。その場に居合わせたベテランの看護師も「この人、もう長くないな……」と思ったそうです。

ところが、断糖とビタミンC点滴の合わせ技の効果は、僕の予想をはるかに超えていました。末期がん特有の臭いは、治療を開始するとすぐに消えました。体調はどんどん良くなっていき、カサカサだった肌はみるみるツヤツヤになっていきました。そのころこの患者さんは親類の法事に参加して、親戚中から「元気そうじゃない」と言われてしまい、「参りましたよ」とぼやいていました。末期がんだと信じてもらえなかったのですね。

そして3ヵ月後、がん細胞はほぼ消滅しました。

CEAという胃がんの腫瘍マーカーは300超から5.6と劇的に減少。正常範囲は5.0以下ですから、ほとんど治ったと言える数値です。


▼断糖(糖質制限)がガンを治療するメカニズム解説はこちら
http://dr-nishiwaki.com


(西脇俊二『超高濃度ビタミンCと断糖療法でガンが消える!』より)









にほんブログ村 病気ブログ がん情報(患者以外)へ
にほんブログ村