こんにちは。
医師の西脇俊二です。

最近、俳優の高畑裕太さんの事件を
きっかけに「発達障害」に対する
関心が高まっているということを聞きました。

今回の事件は、本当に
発達障害が影響しているのでしょうか?

---------------------------------------
■発達障害にもいろいろある
---------------------------------------

高畑裕太さんに関しては
いろいろなエピソードがあって、
発達障害だと疑われているようです。

ネットで検索しただけでも
以下のようなエピソードがあるようです。


1)今回の事件で「欲求を抑えられなかった」とコメント

2)小学生のころに猫を追いかけて練馬から埼玉まで行ってしまった

3)母・高畑淳子が「人の気持ちがわからない子」と発言

4)小学校で叱られたのに、すぐにけろっとして給食の列に並ぶ



あくまでもネットで見かけたので
これらのエピソードが本当かどうかは
私にはわかりませんが、仮にこれらの
エピソードが本当であれば


高畑裕太さんは発達障害の可能性が高い


という風に私は思います。

そして、高畑裕太さんの場合は、

アスペルガーADHD(注意欠陥・多動性障害)
合併しているタイプのように思えます。

もちろん、お会いしたこともなく
あくまでも推測に過ぎませんが、
今回は皆さんに発達障害について
正しく知ってもらうためにも
簡単にその特徴をお話ししたいと思います。


---------------------------------------
■アスペルガーとADHDの違い
---------------------------------------

今回の事件でもそうですが、
アスペルガーとADHDなどの発達障害を
同じものだと扱っているような
ネット記事もありましたが、それは違います。

アスペルガーとADHDは
どちらも発達障害ではありますが
その症状は異なります。


たとえば、上で紹介した
エピソードの1や2の【衝動性】は
ADHDでよく見られるエピソードです。

そして、3や4というのは、
アスペルガーに見られることが多い
「対人関係の障害」の一端だと
見ることができます。

ですから、今回の事件は
【衝動性優位のADHD】によって
起こった可能性があります。

ただ、勘違いして欲しくないのは

発達障害=犯罪を起こす可能性が高いわけではない

ということです。

ADHDにはいろいろな種類があります。

紹介してきた【衝動性】以外にも

【不注意】
・注意力を長時間、持続することが苦手
・忘れものが多い など

【多動性】
・じっとしていることが苦手
・身体を動かしていないと落ち着かない


などいろいろな特徴があります。

衝動性優位だと、欲求を我慢できずに
犯罪をしてしまうケースはありますが、
すべての発達障害が衝動性優位とは限りません。

またアスペルガーとADHDは
混同されやすいのですが、
その対処法は異なります。

ですので、これらの特徴を抱えていて
不安に感じる方は医療機関などで
一度、受診されて原因をしっかりと
特定することをおすすめいたします。


西脇俊二


▼10/16(日)アスペルガーの相談会を開催します
http://dr-nishiwaki.com/asperger/






にほんブログ村 病気ブログ がん情報(患者以外)へ
にほんブログ村