art in summer '09 -3ページ目

art in summer '09

駆け出しギャラリストでなんちゃってアートライターが、今夏の東京と関西の現代美術事情を記録して行くブログ。

ART OSAKAを中心に、関西美術の現況を見て来ようと試みていましたが、普通にフェアのお手伝いをしていたり、友人を招待した手前、フェア鑑賞に時間を大きく割いたりして、一つを除き全然美術ギャラリーを覗けなかったのは誤算でした。

んが、すごく楽しかったです!

フェアが素敵でした。こういう機会でないと面識を作れない、関西圏のギャラリーのいくつかのディレクターさん達と、フェアの会場で仲良くなったり、東京のギャラリーでもどういう人がどういった目的意識でギャラリーを運営しているのか聞けたり、貴重な経験もありました。たこ焼きやお好み焼きはあまり食べなかったけど、フェアの出展者有志の飲み会にくっついて行ったりね。

追々、大阪での出来事はこのブログにまとめていけたらいいなぁと思います。仕切り直し、改めてどうぞよろしくお願いします。

展覧会情報なり感想なり、いろんな事が後追いの更新になりそうですが、明日から大阪に3泊4日で行くので、今日出来るだけ書けることは書かないとな。


■CLASKA × へうげもの presents 「へうげて、暮らすか」@クラスカ

安土桃山の茶文化を隆盛させたひとりである、武人で茶人の古田織部を扱った漫画「へうげもの」の展覧会が、目黒のデザイナーズホテル、クラスカで開催されていたので、最終日に友人と行ってきました。ホテルの外観自体は決してオサレ度は高くないように見えましたが、1階エントランス横のカフェバーの時点で、既に派手すぎないお洒落具合が快い感じでした(展示会場についてお話を聞いたスタッフさんはぶっきらぼうな対応だった気がしますが…)8階と3階での展示で、8階がメイン展示だったのか、へうげもの展に際して作品を提出した作家さん達のグループ展と販売会みたいになっていました。所謂食器や茶器にあまり触れてこなかった自分にとっては、陶器という素材で立体作品を使っている幾つかの作品が印象的でした。ロボットスーツを着たような子供の立体は、陶器による肌の質感が生々しくて怖いぐらい。3階の会場には、茶室の構造を現代的にアップデートしたような空間に、漫画のシーンに由来するものがいくつか展示してありました。8階のほうは美術展示というよりショップのような感じがしたので、こちらの方が、所謂展覧会っぽい感じがしたかな。

■田名網敬一/ピート・ファウラー「夢の帝国」@ポールスミススペースギャラリー

本業では所謂デザイン畑ながら、最近は美術作家としての活動が盛んなお二人みたいですが、ポップでファンキーでサイケデリックな作風はそもそもデザインのあるべき場所に使われなければ、それがデザインだとは分からないぐらいアート然とした感じのする作家ではあります。確か二人ともウェールズのバンド、スーパー・ファーリー・アニマルズのジャケットを担当した事のある作家なので、会場に入った瞬間に知ってるファーリーズの曲が頭の中を流れ始めた、音楽の溢れる展覧会でもありました。田名網さんは近作から立体曼陀羅のイメージが強かったので、平面がひたすら並べられた展示は新鮮でした。


■元田久治展@hpgrpギャラリー東京

神宮前はファッションの街ながら、意外と他の銀座や日本橋界隈で展開するギャラリーのような美術展を見れる場所が多いです。よりファッション寄りの場所が多いかなぁと思ってました。商業テナントが入居する一帯なので、美術ギャラリーが継続して営業を続けるのは大変そうだなぁと思いつつ、アッシュペーのギャラリーならそれも大丈夫かなぁと勝手に邪推してしまいます。アッシュペー自体、丸の内の店舗のウインドウをアートに開放したりと、積極的に企業メセナを推進している素敵な会社。この日見た作家さんは、日本や中国の著名な巨大建築物を崩壊させた絵画を出展していました。当然ながら、そんな簡単に崩壊されても困るので、まさに絵画だからこそできる、想像力の一番シンプルな発露だと思わされる作品でした。巨大建築物の背景に見える、作品柄ダークな印象を持つ空や背景の色彩は、皮肉なまでにとてもきれいでした。


■変成態vol.3(泉孝昭/上村卓大)@ギャラリーαM

武蔵野美術大学のプロジェクトの一環で、今年馬喰町に新しく設立されたギャラリー。タロウナスやフォイルギャラリーと同じビルに入っているんですが、元のテナントを知らないだけに、地下にあんなに豊かなスペースが存在するとは知りませんでした。ある物質に対して新しい概念を与える、コンセプトなり変化において美術的な価値を創造していこうという試みを、様々な作家が通年で展開していく面白い展覧会の第三弾です。とはいえ、今回はなかなか難しかったかも。ファインアート的なオレンジ色の立体の「WALL」という文字は、60年代や70年代の旧き良き時代を思い出させるキャッチーな感じの作品はありました。他の作品は、タイトルやキャプションを見れば確かに美術的存在がそれらによって表現されているのは明らかだったのですが、廃棄物や工業用品が必ずしも分かりやすく「アートだ!」っていう形で存在してはいなかったので、「変成態」というコンセプトがなければ、何の展覧会か全く分からなかったかも。


■青木淳 「夏休みの植物群」@タロウナス

高名な建築家であり、後進の建築家の育成にも余念がない青木さんが、アーキテクト・ジャパンというイベントの一環でタロウナスにて出展。ジャイルという表参道はブルガリの入る建物で開催されている、イベントと同名の「アーキテクト・ジャパン」という展覧会、及び美術ギャラリーなどで開催される関連イベントにはまだ行っていないので、アーキテクト・ジャパンについては、追々書ければと。建築家の描く植物群は一体何かと思ったら、プランターからサッカーボールが生えている立体作品が並んでいました。謎過ぎますが、妙にかわいらしくて笑えます。謎も何も、青木さんのイマジネーションこそ植物たちの生まれた場所だから、他人の考えなんてわからないなぁと。その上には澄んだ色彩の抽象画が数点並んでいたような気がします。タロウナスという、東神田界隈でも奥まった場所のしかも地下にあるギャラリーの最深部では、青木建築の特徴であるファザードをイメージしたかのような文様が、壁に投影されていました。青木ファンにはたまらない作品だろうなぁと。今回の展覧会に際して発売された、100部限定のアートブックが小さくてかわいくて安かった(笑)ので、購入。夏休み前だからか、那須さんをはじめとして、ギャラリースタッフさんが勢ぞろいしていたのは、初めて見ました。
記事を連投したりアメブロの設定を弄り続けていたら、肩凝った。

アメンバーはドキドキしてお願いできないので、読者登録をお願いしてみたら受けていただけたのもあり、ルームにも書いてあるけど、簡単な自己紹介と、表題の件である明日の美術鑑賞の予定について書いてみたいと思います。

27歳、AB型、180センチ、メタボorz、クリスマスイブ生まれ。
実家暮らし。母、亡父、姉、自分、妹、愛犬、甥、義兄。
家庭は転勤族(栃木→愛知→福岡→和歌山→大阪→東京(練馬→西東京))

大学卒業後社会人をドロップし、ブラブラしている内に美術家やギャラリストの邂逅を経て、ボランティアを幾つかこなしたのちご縁があって、只今都内でギャラリー研修中。もしくは、都内の著名ギャラリーのレセプションや2次会で、酔っぱらっています。

月に一本ぐらい、知人数名が幹事として活躍する、シャンパンのHP「シュワリスタ・ラウンジ」にて、美術の文章を投稿しています。

http://www.shwalista.jp/monthly/sense/090623/index.html?sh21

趣味は美術鑑賞、音楽鑑賞、飲酒、インターネット的な何か。
特技はない…。

こんな感じ?こんな感じ。

明日の予定というのは、明日終了と明日始まりの展覧会が山手線沿線であり、休日日曜日の美術鑑賞というのも珍しいので、ちょっと覗きに行ってこようかな。まぁ、いわゆる現代美術の展示と言えば、最後に挙げる「真夏の夢」ぐらいだと思うのですが、他の二つも面白そうです。

★へうげて暮らすか@クラスカ(ホテル・目黒あたり) ※漫画「へうげもの」とのコラボレーション
http://www.claska.com/exhibition/2009/07/claska_presents.html

★勝手に観光ポスター展@lapnet ship(原宿あたり) ※企画はみうらじゅんと安斎肇
http://www.lapnet.jp/eventinfo/img/cm/lapnetship/090728_kanko/content.html

★真夏の夢@椿山荘(目白あたり) ※面識ある人がキュレーションしているので、祝って来よう
http://www.chinzanso.com/event/dandans_web/


17時半に始まる椿山荘のレセプション開始に合わせて、この順番でゆっくり回ろうと思います。
またあとで、情報の項目に追加しないとなぁ。
さぁ、早口言葉で言って御覧?といったようなタイトルですが、8月も半ばに来てしまったので、とりあえず今日まで行った鑑賞記録について、いくつかに分けて書く。ARTiTのSNSブログにも似たような事をつらつらと書いているので、もしよければ、ARTiTでアカウント作成・ログイン後、「だいちゃん」で検索したご来訪頂けたら嬉しいです。

特にまとまった感想というのもないのですが、春のほうがアートの風が強いのか、春は作家のキャリアを問わず世界的な実績を残している作家の個展が多かった気がします。夏はどちらかというと、大手ギャラリーでも若手を実験的に紹介してるような気がしないでもないです。

あと、まだ青木淳さん@タロウナスしか行っていないのですが、表参道でブルガリが入居しているジャイルのアイ・オブ・ジャイルを基地とした、建築meets美術、みたいな展覧会が8月いっぱい続いているようで、それは観て回るのを楽しみにしています。


art in summer ’09-gallery1


■北村バンビ「日本の風景・心の故郷」@ギャラリー・カウンタック

初めてのカウンタックです。アートフェアやそのレセプションで、オーナーの八木沢さんとは2、3言話をすることが続いていたので、念願のギャラリー活動再開。その初回は、北村バンビさん。暗室の中に展示された作品は、個展タイトルからは想像のつかない、スペーシーであり作品によってはアメリカ的なイメージがあり、「日本の風景」とつなげるならば、高度成長期の西欧文化への憧れや、非保守的だったヒッピー時代を懐かしむ感情なのかなぁと。とはいえ、バンビさん自身アラサーの作家さんであり、それらの感情を持ちうる世代ではない気もするのですが。

銀河鉄道やそういった時代の近未来的なアニメーションにかぶせる形で投影された、少女のスカートと足の形がクールに変化して行く映像が好きでした。


■グループ展「不死鳥と雉鳩 -真夏の夜の夢2-」@CASHI

08年より日本橋馬喰町で活動している、若手ギャラリスト、若手作家さん主導の若いギャラリー。どこで経験を積んだのか、今まさに勉強中なのかは分かりませんが、ただ若いだけじゃない、美術然とした迫力のある作家を扱っていて、もう「レントゲンのお隣」と云う必要もないくらい存在感を持ち始めた注目株。

今回は、荒い筆跡のよる人物画、非現実と現実の境目を貫くような風景画、ドアップの動物画のそれぞれをメインとした作家さんたちによるグループ展でした。個人的には、最初に挙げた、絵の具が盛り上がらんばかりの勢いがある筆跡で、面白い人物画を出展していた作家さんが良かったです。


■グループ展「レイヤーズ:韓国の新進気鋭作家」@フォイルギャラリー

確かリトルモア社から独立したオーナーの手掛けるギャラリーで、それゆえか作品集出版にも注力している、最近ギャラリーが集まり始めたセントラルイースト地区の中でも特徴のあるギャラリーです。丸亀の猪熊弦一郎現代美術館で只今開催中の、韓国人作家に関する展覧会ともシンクロしているような話を聞きましたが、今回は3名による小規模なグループ展。

高速回転しているある透明な物質の向こうに、霞んだ景色と音楽が流れる映像作品、棘のような直立した草の様な物が部屋にインスタレーションされた様子を、モノクロの写真で収めたもの、CG的な色彩からキャンバスの張り方までが非現実的な中に描かれた、現実的な風景のペインティングなどを3名の作家が出展していました。どの作家も良かったのですが、映像作品を見せるためのヴィジョンが、明らかに今回の展覧会のために作られたもので、テレビゲームのハードを展示メディアとして使う作家が増えている中で、ハンドメイドな感じがするそのヴィジョンに関心させられたものです。作品の感想になってないけど。


■from/to #5(早川祐太/村岡佐知子)@ワコウワークスオブアート

日付は忘れましたが、豪雨の中で向かったワコウワークス。曲がり角を間違えると、そのままオペラシティーに行ってしまうのですが、オペラシティーに行ってしまいました。新宿西口から歩くと、ワコウワークスだけでも遠いのに…。今回は新進作家を紹介する、連続した二人展の第5段。お二人とも初めて聞く名前の作家さんでした。

早川さんは、二つに分かれたワコウワークスのスペースで、多分メインにあたるオフィスがある方での展示でした。他の作家さんを引用するのも失礼かもしれないけど、内藤礼さんや、ギンザグラフィックギャラリー(及び21_21デザインサイト)での原研哉さんの展覧会を思い出させる、糸や水の管を扱ったインスタレーションを展開させていました。ギャラリーの外からガラス張りのエントランスを通して見ると、紐で吊るされた大きな白い楕円形の板が印象的なんですが、場を作るアートという意味では、ミニマルアートの印象も受けました。紐により動く作品なので、その場に居合わせた早川さんが何気なく押したその作品が、気付いたらカタログを読んでいた僕の真横に来ていてビックリしました。

村岡さんは、多分キャンバスに描いた抽象的な風景画やその他テーマがあるペインティングを、フォトペインティング的な手法で、黒で埋め尽くしてしまうもの。黒の合間合間から、下に描かれているペインティングが顔を覗かせているのですが、黒い表層の下に何か描かれているというのも、作品タイトルから感じる思い込みかも知れませんね。黒で描いたフレームの中に色を配置しているだけかもしれないし。その分かりやすくない感じが、作家性まで知りたくなる面白い作品でした。


■荒木経惟 「Polart」@ラットホールギャラリー

8月前半に観た展覧会の中でも、特に印象的でした。感想の羅列の中に埋もれさせるのではなく、別枠で書きたいぐらい。大物写真作家による展覧会を多く行うヒステリックグラマーのアート展示スペース、ラットホールギャラリーでアラーキーの個展。アラーキーに関しては、昨年はタカイシイギャラリーと表参道の展示スペースと、2つの展覧会を見ています。

ポラロイドによる作品を、多分世界的に類を見ない5,000枚展示するという、やったもん勝ちな方法による展覧会。ラットホールのスタッフさんや、アラーキー側のスタッフさんがどれだけいるのか分からないのですが、まずはこれだけの枚数を展示した事の労力に敬服です。多けりゃいいってもんじゃないだけに、コンスタントに実績を残して来たアラーキーがやった事には意義があったと思います。それだけの規模になってしまうと、極めて性的な写真が続く展覧会なのに、エロとかセックスとか退廃とかいう意味性はすべて吹き飛んでしまっていたように思いますが、その写真世界を楽しみたい人には、15,000円オーバーとちょっと高めですが、ちゃんと作品集も準備してあります。

とにもかくにも、あれだけたくさんのアラーキー写真を見て、僕はアラーキーが映す女性の裸、女性という存在がとても好きなんだなぁと再確認させられる、素敵な展覧会でした。



情報欄ばかりがやたら充実して行くという。しかも、関西美術のほうは、大阪なり関西圏から帰宅してからじゃないと書けないから、ずっと0が続くという。

■ART OSAKA@堂島ホテル(21日~23日 ※21日の入場は関係者のみ)
http://www.artosaka.jp/2009/info.html

※関係イベント※

・レクチャー「ワンピースからはじめる現代アート」
8月22日(土) 13:30~14:15 出演:石鍋博子(ワンピース倶楽部代表)

・おかけんた トークショー『プロデューサー、ギャラリスト、コレクターさんいらっしゃ~い!? キッカケは? 儲かるの??』
8月22日(土) 15:00~16:30 出演:おかけんた (お笑いタレント/現代美術コレクター)/パネリスト:木ノ下智恵子 (アートプロデューサー)/松尾良一 (帝塚山画廊)/松浦隆広(美術コレクター)

・ナイトウォーク『水都大阪2009 ナイト・ウォーク』
8月22日(土) 19:30~21:00 ナビゲーター:加藤義夫(ART OSAKA 実行委員/水都大阪2009アート・アドバイザー・コミッティ)

・レクチャー 『現代絵画材料の発展と歴史~モーリス・ルイスからパラモデルまで~』
8月23日(日) 12:30~13:30  講師:瀧川隆弘 (ターナー色彩株式会社 研究開発室 部長)

「水都大阪2009」関連企画 レクチャー『トらやんの大冒険ーヤノベケンジ』
8月23日(日) 14:00~15:30 出演:ヤノベケンジ(アーティスト)

※各イベントの会場、定員、申込方法等は次の通り。
会場:堂島倶楽部/堂島ホテル7F ※但しナイトウォークは中之島公園周辺。
定員:約50名(プログラム毎)   参加費:無料
お申込方法:イベント開催当日、12:00より1階受付にて先着順で受付

■水都大阪
http://www.suito-osaka2009.jp/midokoro/03.html

■堂島リバービエンナーレ2009@堂島リバーフォーラム
http://www.dojimariver.com/topics/index.html

■やなぎみわ「婆々娘々」@国立国際美術館
http://www.nmao.go.jp/japanese/b2_exhi_beginning.html

■HOPEWORK@海岸通りCASO
http://www.cwo.zaq.ne.jp/caso/top/top1.html

■少年少女科学クラブ「理科室の音楽, 音楽室の理科 TUNE/LABORATORIUM」@京都芸術センター
http://www.kac.or.jp/exhibition/tune_laboratorium.html

■山口典子「Keitai Girl Night」@Galleria LUCE
http://www.yamaguchinoriko.com/index.html


★おまけ★

飲みに行きたいところです。

■川瀬知代 × graf salon " gardens "(展示およびビアガーデン)@graf salon
http://www.graf-d3.com/fudo_salon/index.html

■立ち呑みギャラリー・新聞女
http://shinbunonna.com/pro.html