古典的条件付け(1)~これって、何?~
おはようございます。
Lovin' Dogsのランパです。
ボクが予想
できることって?
今日から、古典的条件付けをお話していきたいと思います。
皆さんが思い浮かべるのは、やっぱり「パブロフの犬」でしょうか?
食べ物を見せる前にベル
の音を聴かせる、を繰り返すと、
やがてベルの音を聴くだけで、よだれを垂らす
というものですね。
これは犬が連合(ものごとの間の結びつき)を学習した結果、起こります。
元々、犬にとって中立的で意味のないベルの音(条件中性刺激)を、
食べ物(無条件刺激 ※1)を与える前に繰り返し呈示します。
一旦、中立的な刺激(条件中性刺激)と無条件刺激との結びつきを
学習すると、
中性刺激は条件刺激となり、次は中立的な刺激条件刺激だけで、
反応(条件反応)が引き出されるようになります。
(灰色抹消線部:削除,緑字部:訂正・追加 いずれも'11/04/26)
古典的条件付けでは、とても重要な特徴が2つあります。
ひとつは、このような組み合わせをしたからといって、
犬にとって条件反応をする必要はない、
すなわちベルの音を聴いた犬は、唾液を出す
必要はないことです。
なぜなら、唾液を出そうが出すまいが、食べ物は与えられるからです。
条件反応は、犬の意思と無関係に、ただ不随意的に起きます。
言い換えると、反射的に起こると考えても良いかもしれませんね。
もうひとつは、条件中性刺激は無条件刺激
よりも
少し前または少し前~同時に掛けて
呈示しないと古典的条件付けは起こらないということです。 ・・・※2
または
→→→→→時間 →→→→→時間
(灰色抹消線部:削除,緑字部:訂正・追加 いずれも'11/04/26)
古典的条件付けは、分りましたでしょうか?
身近な例で考えると、もっと分りやすいかもしれませんね。
皆さん、愛犬の行動を思い出してみてください。
散歩に行く時や、ご飯の時にとても興奮しませんか?
これは、散歩やご飯
という「無条件刺激」の前に、
リードや荷物を準備したり、食器
を取り出したりすることを
繰り返し行った結果、これらが「条件刺激」となり、
興奮が「条件反応」として引き出されているからです。
条件刺激は、「前触れ」と置き換えるとより分かりやすいかもしれません。
次に何が起こるか、予想できるヒントみたいなものですね。
犬は、この「前触れ」を読み取ったり、感じたりすることがとても得意です。
ただし、古典的条件付けは犬にとって好き・楽しい・嬉しいことばかりではなく、
嫌い・怖い・恐れることに対しても起こります。
雷が苦手な犬が、遠くから聞こえる小さな雷鳴や気圧の変化などを前触れと
感じ取り、雷が近づく前から震えてしまったりします。
※1:無条件刺激
これを呈示することで、常に「無条件に反応(無条件反応)」が
引き出される刺激のこと。
この場合、食べ物は必ず唾液の分泌を引き起こします。
※2:同時でも、学習できる場合はあります。
ただしその場合でも、学習の効率はとても低くなります。
次回は、色々な場面での古典的条件付けの役割について
お話したいと思います。
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タグ:学習理論(9),古典的条件付け(1)
参考文献:パメラ・J・リード「エクセレレーティッド・ラーニング」
2007年9月発行(原著1996年)