彼女の図々しさを忘れていた。


秋くらいは改心したと思っていたが、それは誤解だった。

12月に入り、度を越える頻度で業務の依頼をする40代独身女性。

彼女は、専ら在宅勤務派で、会社でしか出来ない仕事は同僚に頼む。

ハッキリ言って、迷惑極まりない女性である。

ただ、経験値が高いがゆえに、案件受注はきちんとするため、上司もなかなか注意がしづらい。


だが、きちんと注意しないがゆえに、彼女の依頼頻度は高く、頼まれる側は嫌気をさして、もはや会話すらしない。

彼女は、相手が自分をどう思おうが気にしないため、我関せずである。

またマウントは取らないため、もう1人のマウント女子とはまた異なる人種だ。


マウント女子の良いところは、自分の仕事は自分でするところだ。

決して、在宅勤務に甘んじず、クライアント訪問も足繁くするし、会社にも出勤する。


在宅勤務女子は、人の時間を奪っている概念がない。

これ、社会人として、基本的な考えの欠如だ。

彼女のために、残業になることもある。

会社としては、損失だ。

在宅勤務が毎日できて、毎日残業をしていないというコトは、家でテレビや私用をこなしていることは明らかだ。

本人も、口外している。

だが、会社も取り締まらないのは、取り締まれないからだ。

PCのログインはある訳で、何を何時間やっているかまでは把握できない。

各社が、在宅勤務の浸透に慎重になるのはそこだろう。実態把握が叶わないからだ。

性善説の下で在宅勤務を推奨する企業も多いはずだ。


ただ、在宅勤務と引き換えに、彼女が知らずに失っているものはある。信頼だったり、相手から協力してあげたいと思われるキモチだ。

もちろん、彼女にとっては不要かもしれないが、人は一人では生きていけないコトも忘れてはいけない。