裸の王様は上司たちから、お叱りは受けなかった。

売上が良く、次も昇級させて役職を就けさせたい目論見が社内でもあるようで、叱らない理由を上司達も用意していた。

転職をして1年、上司たちの優しさには感謝しているが、必要な時に叱らない様を間近で見ると、優しさも罪な気がした。

役職を就けてあげたい部下ならば、なおさら、正しいことを身に付けさせるべきだ。


今回の騒動は、かなり大事になり、関係ない多くの社員が紛失したと言われる書類を探した。

ただ、当事者は有休やら在宅やらでその間一切出勤してきていない。

だから、捜索していたのは関係ない同僚ばかりだ。

社員の権利とはいえ、当事者が呑気に過ごすのはいかがなものか!?

同僚たちを奴隷扱いしている。

そんな扱いを見ても叱らない上司もいかがなものか!?

売上が良ければ何をしても許されるのか!?

彼が売上がいいのは他者のヘルプがあってこそだ。


そもそもファイルを更新していなかっただけだから、いの一番に裸の王様がファイルの中を見れば事は済んだ。

それを、自分は作成し、プリントアウトし、そしてとある同僚に渡してクライアントに発送するようにと伝えたと有りもしない事実を並べたことから始まっている。

とある同僚も、そんな指示は受けてない。

結局、全てが嘘だった訳だ。

そこをも叱らないことに、捜索した社員たちは腹を立てている。だが、物分かりがよい社員ばかりだ。

口には出さないが、シコリは残り、肥大化することは間違いない。

なぜなら、この裸の王様は今回が初めてのやらかしではないからだ。