心移りを察するかのように


深夜に鳴り響くあなたからのMailの着信音


それは沈黙と迷いを切り裂く


数十秒の恋するメロディ




連絡を取り合う義務もない私達だから


私への返信がないことも


あなたへの電話を取らないことも


ありきたりの理由で片づけてしまえる


そうして張られた見えない一線に


苛立ちも悲しみも覚えてはいけないのに


友達の枠に収まる私では


それをあなたに責めることなど出来ないのに




だからこそ


想いを摘み取る毎日の中で


予告もなしに鳴り響く着信音は


どうしようもなく


この心をざわつかせる



それは


摘み取る痛みを忘れさせる


それは


歩き出す歩幅を立ちどませる



たった1通のMailにすぎないのに