私の両親は50年以上の結婚生活を送りました。
父は２０１１年に他界しましたが、母はまだ生きています。
９５歳で寝たきりですが、まだぼけてはいません。
これは私が昔両親に聞いた話。
ふたりはお見合いで出会ったのです。
その当時、昭和２０年代後半、（戦後すぐ）若い男性がみんな戦争にとられて
少なかった時代でした。
母はもう２７歳になっていて当時で言えば行き遅れ。
でも父と母両方を知るある女性が双方がクリスチャンであることから
お似合いだと判断しお見合いをセットしました。
当日母は黒いドレスで現れました。
実は母は自分のスタイルを気にしていて
（肉付きが良かったのです）何とか少しでも細く見えるように黒を選んだのだそうです。
普通はお見合いに黒なんて着ませんが、そんなことは母は知らず。
でも父は黒いドレスで現れた母を見て、そのグラマーな姿にひかれたそうです。
気に入ったのでした。
でも、あとで２７歳と言う年齢は子供を産むには年を取りすぎているのではないかと心配になり
（父は女性についてまったく知識がなかったのでした）
断ったのだそうです。
お見合いを世話した仲人の女性はそれを聞いて激怒し、
返事を母に伝えなかったそうです。
さて、母は能天気な人なので、断られたとはつゆとも思わず、
心配もしてませんでした。
そうこうしているうちに、父はまた考え直し、
もうこんな人に出会えないかもしれない。これを逃してはいけないと思い、
母に手紙を送りました。（当然仲人が断りの返事を伝えたと思ってる）
何も知らない母は突然「あなたしかいない」というラブレターを受取ってびっくり。
それが両親のラブストーリーの始まりです。
まあ結婚生活の間にはつらいこともたくさんあったようですが
仲良く５０年以上過ごし、晩年父が死ぬ間際に母に
あなたと結婚してよかったと言ったそうです。
そんな偉大な愛のストーリーがあるのに
二人の子供である私も妹も両親にかないません。
でも母の能天気ぶりは相変わらずで、だから長生きできたのかもしれませんね。
何事も心配しすぎず、すべてはうまく行くと根拠のない自信を持ち続けることが
幸運を引き寄せる秘訣なのかなと思ってしまいました。
最近母に会っていません。
母に会いたいです。
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