トレーサー パク・ヨンウ 締まりのない有能さ | パク・ヨンウ☆だぁ~い好き(*^^*)  

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パク・ヨンウ氏にぞっこんの
ハギのブログです。
出演作品を通して、
彼の魅力を徹底分析しましょ♪       

先日表紙写真をご紹介したCINE21の記事です~おねがい

 

 

どんな組織にも、こんな奴が一人ぐらいはいる。パク・ヨンウが演じるウヨンは、かつて国税庁租税局のエースだったが、今は「仕事をしないのが信念」だと言ってのける人物だ。鳥の巣みたいなヘアースタイル。だらしなく緩んだネクタイ。いつ剃ったのかと思われる無精ひげ。着古したズボン。彼の、しゃきっとしないくたびれた外観は過去に何があったのだろうかと好奇心を掻き立てる。劇場公開中の『幽体離脱者』と、撮影真っ最中の『トレイサー』など、映画と連続ドラマの間を活発に行き来しているパク・ヨンウは、「サラリーマン生活に疲れ果てていたり、社会生活に嫌気が指していたり、思い通りにいかない問題を抱えている人が『トレイサー』を見てくれたら、オヨンを通して慰めされ、あんな大人になれたらどんなにいいだろうかと思うはず」と語って、オヨンについて話し始めた。

 

-くしゃくしゃな髪、緩んだネクタイ、手入れされていない髭など、外観が目を引きます。

 台本を読んで頭の中に浮かんだオヨンのイメージは、大まかに言って2つでした。ひとつはシニカルなこと。もうひとつは、そのシニカルな面を隠すための、ウイットとコメディーの間に位置するなにか。オヨンは、この2つがうまく交じり合えばいいなと思った。そうしてこそ、あとでオヨンの事情が明かされたとき共感してもらうことができ、作品のメッセージをオヨンを通じて見せることができると思った。大人の成長物語に出てきてしかるべき人物とでも言おうか。

 

-オヨンが履いているような、サスペンダー付きのズボンは、国税庁の職員らしくないと思いますが。

 かつて相当な切れ者だった過去を持ち、そのぶん仕事に対するプライドも高かったのに、今はそんなものがどうでもよくなった理由を、吊りズボンで表現できると思った。吊りズボンは、宝のようなものを両手でしっかりと握りしめている状況を表す一方で、もちろんスタイリッシュな面もあるけれども、多少のウイットも混じっているような、そんな小道具だと考えています。

 

-かつては国税庁租税局のエースだったが、今は仕事をしないことを信念としているオヨンが、ファン・ドンジュ(イム・シワン)と対立しながら変化していく様子が、かつて多くの映画作品に出演したが、5年間の休息を取ったのちに再び活動を始めたヨンウさんの演技人生と軌跡を同じくするように感じられます。

 個人的な解釈だが、オヨンと自分が似ていると感じた部分は、正確に特定することは難しいけれども、あるときまでは成功を目指して突っ走っていたということだ。過去のオヨンもそうだったし、私もそうだった。もちろん今だって仕事で成功することは重要に違いないしそれを目指している。しかし、私はその段階を抜けだし、今は成功が最重要目標ではない。なぜ成功しなければならないか、という命題にたいする明確な目標を自らに問い、見つけ出すことが今の私が考える成功の基準だ。オヨンはその段階に向かう中間地点でさまよっている人物だ。

 

-撮影前に監督に対して様々なアイデアを意見する俳優として知られている。今の話を聞いていると、今回も同様のようだ。

 漫画のキャラクターからもらってきたイメージをいくつか、首にだらりと巻き付いているネクタイ、着古した吊りズボンなど、先に話したオヨンの全体的なイメージにつながる特徴を監督に伝えた。与えられた役柄を誠実に準備するのは昔も今も変わらない。これから自分がどんなふうに変わっていくかはわからないが、最近自分でも成長したなと感じるのは、役について理解するやり方が180度変わったためだ。以前は本当に熾烈に悩みぬいたのだが、今はアイデアを投げてみる。投げてみて引っかかればよし、引っかからなければ仕方がない。昔は自分の声が嫌いで変調させてみたり発声の仕方を変えてみたり、本来の声が出ないようにした。だけど今は、自分の声で演じている。また、以前はモニタリングを徹底してやり、編集室に押しかけて編集中の映像を見るほどの熱意があったが、今はモニタリングはしない。自分を信じて演じるだけだ。

 

-オヨンがどのように変化していくかは『トレイサー』の重要な見どころですね。

 映画でもドラマでも、台本を見てまず最初にめに飛び込んでくるものはそれぞれ違う。ストーリーが目を引く作品もあれば、(登場人物の)役割が真っ先に目につく作品もある。『トレイサー』は役割のほうだった。この作品には魅力的なキャラクターが5,6名登場し、それぞれ成長してゆくのだが、その中でもオヨンは社会生活をしている人が現実において共感できるキャラクターだ。見た人が、オヨンみたいに歳を取りたい、オヨンのようになれたらどんなにいいだろう、と思ってくれれば嬉しい。

 

-『幽体離脱者』にドラマにと活躍が続いていますが。

 演技を初めて20年経った。昔は知らなかったが、人生は自分の思うようにはいかない。だから執着しても意味がないし、自分のしたいことをして、目標に向かって努力を続けていると今のような結果にたどり着けるのだと思う。結果がどうなるかはわからないが、今は仕事の成果や、それが何年ぶりかということなんかは意に介していない。ただただ感謝の気持ちで最善を尽くしているだけだ。

 

-自分自身に厳しかった過去とは違い、今は余裕があふれ穏やかな心境に見えます。

 自分に感謝しているのは、いい方向に変わってきていると感じられる点だ。人生で最も大きな目標のうちのひとつが、死ぬまで成長し続けることで、今はそれを実践できている。役者としての望みは、(出演)作品を即決できることだ。『トレイサー』のように台本を読み終えるや出演を決められるような作品がもっと増えると嬉しい。

 

-次はパク・チャヌク監督の新作『別れる決心』ですね。パク監督とは今回初めて?

 今はまだ何も言えない(笑)。はっきりと言えるのは、今は演じるのが楽しくてしかたないということだ。現場で演じているときが何より幸せだ。これからも多彩な役割を演じたいし、たくさんの優れた作品に出演したい。よく似た役割であっても、レイヤーをどのように表現するかによってキャラクターは変わるので、レイヤーの味を最大限生かすことが自分の仕事だ。自分自身が輝いていれば、多くの人に望んでもらえるだろう。輝いている人を避けて通ろうとする人がいるだろうか。求めざるを得ないだろう。